学会|2025年9月8日掲載

「Smile Beyond Time」をテーマに

日本アンチエイジング歯科学会 創立20周年記念学術大会開催

日本アンチエイジング歯科学会 創立20周年記念学術大会開催

 さる9月6日(土)、7日(日)の両日、セルリアンタワー東急ホテル(東京都)において、日本アンチエイジング歯科学会 創立20周年記念学術大会(前島健吾大会長、松尾 通会長)が「Smile Beyond Time」をテーマに開催され、約700名が参集し盛会となった。

 初日に行われたシンポジウム1「患者さんの望みを叶える審美・補綴」では、ホワイトニング、補綴装置、義歯治療の3つのテーマでそれぞれの講演が行われた。以下に、演題と演者を示す。

「患者さんの望みを叶える医療ホワイトニング」金子 潤氏(明海大学)
「ジャストフィットジルコニア & BTAテクニック®」笹木孝夫氏(歯科技工士、有限会社デンタルオフィスささき)
「補綴難症例でも次回に咬合、審美回復できる『スプリントデンチャー®』」古谷彰伸氏(千葉県開業)

 患者の望みを叶えるためには、適切な検査、診断に基づいた治療計画や、知識力・技術力の向上はもちろんだが、加えて患者の要望(困りごとの解決)を早期に叶えること、可能な限り多くの情報を患者から得ることなどが求められるとした。さらには、患者の要望を受け止めるだけでなく質の高い治療の提案し、患者の期待を上回ることも重要と強調された。

 2日目のシンポジウム2「Failure and Recovery Festival」では、失敗とされる症例からのリカバリー方法やその原因、予防策について講演が行われた。以下に、演題と演者を示す。

「リカバリーホワイトニング」椿 知之氏(東京都開業)
「失敗が招く成長と成功―トラブルから学ぶ上顎インプラント治療の教訓―」菅井敏郎氏(東京都開業)
「歯周治療の失敗から学ぶ―再発症例から見えるカウンセリングと継続管理の重要性―」若林健史氏(東京都開業)

 なかでも菅井氏による講演では、近年インプラント治療でもっとも多い上顎洞に関連するトラブルについて提起。歯科用CTやサージカルガイドの普及により下歯槽神経の損傷は減少傾向にあるが、その一方で、上顎洞炎やインプラントの上顎洞内迷入などが増加している。氏は、その原因として上顎洞の形態的な特徴などを挙げ、症例をとおしてリカバリー方法や耳鼻科医との確実な連携の重要性などについて述べた。

 創立20周年という記念すべき節目の本大会だけに、多彩な講演が催された。会場内に設置された業者展示ブースにも多くの参加者が立ち寄り、終始賑わいを見せた。なお一部の講演は、2025年10月1日(水)から10月31日(金)までアーカイブ配信にて閲覧することができる。

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