顎関節・咬合シンポジウムプロジェクトが、第1回顎関節・咬合シンポジウムを開催

　さる12月7日（日）、国立新美術館3階講堂（東京都）において、第1回顎関節・咬合シンポジウム（矢野圭介大会長、顎関節・咬合シンポジウムプロジェクト主催）が「クリック(円板転位)を黙認する怖さ」のテーマの下、開催され、約250名が参加した。

　本シンポジウムは、「顎関節と咬合はセンシティブな領域であり、学会や大学などの立場を超えた視野で討論を行う」（矢野氏、東京都開業）ことを目的に、昭和医科大学歯学部歯科矯正学講座、日本包括的矯正歯科学会(JIOS)、Dental Innovation Study Club(DISC)との共催で企画されたもの。今後は年1回、全5回で開催される予定。

　当日は、一般歯科医、矯正専門医、大学所属の歯科医師など、さまざまな立場の演者が登壇した。シンポジウムの目的のとおり、各Section終了時には質疑応答の時間を設け、参加者を含め活発な意見が交換された。各Sectionの講演タイトル、演者は、以下のとおり。

Section 1（座長：綿引淳一氏、東京都開業）
「クリックを黙認する怖さ」矢野氏
「補綴学的咬合再構成におけるアナログからデジタルへの変遷」植松厚夫氏（東京都開業）

Section 2（座長：中納治久氏、昭和医科大学歯学部歯科矯正学講座）
「顎関節円板障害がタッピング終末位へ及ぼす影響」山田一尋氏（富山県勤務）
「下顎位へのアプローチとその意義」森田明子氏（東京都勤務）

Section 3（座長：矢野氏）
「顎変形症患者における顎関節病態と咬合再構成の課題」亀井和利氏（横浜労災病院歯科口腔外科・顎口腔機能再建外科）
「顎関節症と咬合治療の真に迫る」中納氏

　会場からは、関節円板転位の原因や、関節円板が整復できない症例への対応方法など多くの質問が挙がり、「顎関節から臨床を考える良いきっかけになった」との声が聞かれた。第2回顎関節・咬合シンポジウムは、きたる2026年12月6日（日）に開催予定である。