社会|2025年12月17日掲載

さまざまなパターンの失敗症例について計8題の発表、講演が行われる

外科的歯内療法についての「失敗症例検討会」が開催

外科的歯内療法についての「失敗症例検討会」が開催

 さる12月14日(日)、東京科学大学(東京都)において、失敗症例検討会(株式会社Toppy主催)が開催された。本検討会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、通年で歯内療法に関するテーマを設定し、そのテーマに該当する症例について、さまざまな視点からディスカッションを行う「オペ検討会」の新たな試みとして開催された。

 吉岡俊彦氏(広島県開業)の司会のもと、今回は「外科的歯内療法の失敗症例」をテーマとし、症例発表と特別講演が行われた。

 症例発表では、高林正行氏(東京都開業)、八尾香奈子氏(東京都勤務)、吉田麻莉氏、大森智史氏(ともに東京科学大学)、三木 優氏、馬場 聖氏(ともに昭和医科大学)の6名が登壇した。

 なかでも八尾氏は「フラップの失敗」と題し、発表。外科的歯内療法実施後、フラップが裂開してしまった症例を供覧した。その原因についての考察として、(1)歯根面上の歯肉を切開したこと、(2)フラップデザインを当初の計画から変更したこと、(3)フラップの張力の観点から一次閉鎖の条件を満たしていなかったことなどを挙げた。また、ディスカッションのなかで、施術に時間を要したことやプラークコントロールの不良、切開線が歯冠側に寄っていることなど、本症例のフラップ裂開は複合的な要因から発生したことが示唆された。

 次に、特別講演では吉岡隆知氏、井澤常泰氏(東京都開業)の2名が登壇した。

 まず、吉岡隆知氏は「逆根管治療再発の理由」と題し講演を行った。氏は、講演冒頭に、病変が再発した原因が特定できない症例を提示。また、「逆根管充填材で経過に違いはあるか?」と問いを設定したうえで、各根管充填材を用いた症例と文献を基にそれらの特徴および経過の違いについて考察した。その後も、歯根破折が原因と思われる症例など、多様な症例を多数供覧した。

 最後に、井澤氏は「Learning from Failures」の演題で講演を行った。氏は、講演中に7つの症例を供覧。術中のフラップの裂開により瘢痕が残ってしまった症例や、逆根管充填した根管充填材が固まらない症例などが紹介された。そして、フラップと癒着した肉芽を掻爬する際は慎重な作業が必要になることや、用いる根管充填材の種類によっては出血のコントロールが難しくなることなど、それぞれの症例から得られた知見が述べられた。

 本検討会では各々の失敗症例をとおして活発にディスカッションが行われ、さまざまな意見が交わされた。日々の臨床において判断に困る場面に遭遇した際に、本検討会で得た知見、考え方が役に立つと思われる。

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