社会|2026年9月29日掲載

講義と症例発表の2部構成で行われる

第27回歯内療法症例検討会開催

第27回歯内療法症例検討会開催

 さる9月27日(日)、第27回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)が東京科学大学(東京都)において、現地およびオンラインを併用したハイブリッド形式で開催され、合わせて125名が参加した。

 本会は吉岡隆知氏(東京都開業)を中心に、歯内療法の症例についてさまざまな角度からディスカッションし、日常臨床におけるヒントや治療へのモチベーションを共有することを目的として開催されている。

 午前は「上顎小臼歯」をテーマに据え、4名の演者による講義が行われた。演題および演者を以下に提示する。 

「解剖 上顎小臼歯の根管治療に必要な解剖学的特徴」末吉峻幸氏(東京科学大学)
「非外科 根管と根管の間 削る? 削らない?」牧 圭一郎氏(東京科学大学)
「外科 “見える”が成功の鍵」齋藤 彩氏(昭和医科大学)
「難症例 難症例の見分け方とその攻略」大島理紗氏(東京科学大学)

 なかでも牧氏は、2根管の間に存在する中隔を切削すべきか否かの判断基準について講演した。氏はその判断基準として、感染の程度の評価、エックス線画像および根管内の所見、中隔切削にともなう歯質切削量の3点を挙げ、これらを総合的に考慮するプロセスについて症例を供覧しながら詳説した。

 また、大島氏は、湾曲根管、複雑根管、上顎洞内への歯根突出といった難症例をデンタルエックス写真および歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)で見抜くポイントを解説した。偶発的に上顎洞へ交通した場合の対処法については、切削片や除去したガッタパーチャが上顎洞内に進入するのを防ぐため、交通孔に綿球等を置いてブロッキング操作を行うとした。また、本操作は洗浄液が上顎洞に入り、患者が苦しむのを防ぐためにも重要であることが共有された。

 午後には4題の症例発表と専門医パネリストらを交えたディスカッションが繰り広げられた。症例発表の演題および演者を以下に提示する。

「穿孔・歯頸部外部吸収への対応」望月綜太氏(東京都勤務)
「陥入歯に対して逆根管治療を行った1症例」辻上陽平氏(昭和医科大学)
「カリエスがないのにエンド病変を有する症例~エンドペリオ病変への対応~」菅野貴文氏(北海道開業)
「歯根端切除術後の再発に対し、非外科的根管治療で対応した症例」野間俊宏氏(福岡県開業)

 なかでも望月氏は、上顎側切歯における歯頸部外部吸収および医原性穿孔をともなう難症例を提示。当初は根管内からのMTAセメントによる穿孔封鎖を試みたものの炎症が治まらなかったため、外科的アプローチへと治療計画を変更し、良好な骨回復を得た経過を報告した。ディスカッションでは、封鎖前の感染制御や消炎の重要性、外部吸収や穿孔封鎖に用いる材料の選択についてパネリストを交えた深い議論が行われた。

 また、辻上氏は、上顎側切歯に生じた陥入歯の症例を発表。通常の根管治療では治癒に至らなかったため歯根端切除術へ移行したが、術前にCBCTで想定していた形態と異なり、術中に複雑な陥入形態が判明した。氏は陥入部を含めて逆根管窩洞を大きく形成、封鎖する判断を下し、治癒へ導いた。パネリストからは、画像上の微小なノイズや違和感を見逃さず、形成前後での形態変化を予測して読影する重要性が解説された。

 本会は、午前と午後をとおして充実したプログラムとなり、参加した歯科医師らにとって明日からの臨床に直結する学びの場となった。なお、次回の「第28回歯内療法症例検討会」は、2027年2月7日(日)に開催予定である。

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