社会|2026年9月18日掲載
間所 睦氏が「Digital Orthodonticsと患者エンゲージメント」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第95回WEBINARを開催
さる9月16日(水)、間所 睦氏(東京都開業)によるWEBINAR #95「Digital Orthodonticsと患者エンゲージメント―DentalMonitoringとAIによる行動変容と治療管理―」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演では、デジタル技術を矯正歯科臨床に活用することの利点を「効率化」「可視化」「数値化」「統合化」「標準化」「共有化」の6つの視点から整理し、AIを活用した遠隔モニタリングシステム「DentalMonitoring」(DentalMonitoring社)を中心に、臨床における実際の活用について、症例や文献を交え解説された。
まず間所氏は、患者さんの情報や各種資料をデジタルで管理することで、保管・検索の負担を減らし、必要な情報へ場所や時間を問わずアクセスできるデジタル技術の利点を紹介した。これに加え、装置装着後の治療中の変化を継続的に把握する手段として、患者さん自身が定期的にスマートフォンで撮影した口腔内写真をアプリで送信することで、歯科医師が治療経過を確認できる遠隔モニタリングシステム「DentalMonitoring」について解説した。氏は症例を供覧しつつ、同システムにより、治療中の歯の移動量を継続的に把握できること、またその際、得られた数値には誤差が生じる可能性もあることから、個々の数値そのものではなく、歯の移動の傾向を捉えることが重要であると述べた。
こうしたデジタルデータにおける誤差を適切に扱うためには、データの「取得」「処理」「設計」「出力」の過程で生じるエラーを発見し、その内容を理解したうえで、必要に応じて修正する能力、デジタルエラー・リテラシーが求められると述べた。
講演後半では、アライナー矯正治療における患者のコンプライアンスについて複数の研究を紹介し、十分なアライナー装着時間を確保できていない患者が一定数存在することを念頭に置く必要性を示した。さらに、患者さんがモニタリングされていることを認識することで装着時間が増加した研究にもふれ、治療経過を継続的に確認し、そのことを患者さんにも意識してもらうことの重要性を述べた。
最後に間所氏は、デジタル矯正歯科において大切なのは、画面上のデータだけを見るのではなく、「デジタルの向こうにいる人間、すなわち患者を見ること」であると述べ、講演を締めくくった。
本講演の振り返り配信は無料で2026年10月31日(土)まで視聴可能である。次回のWEBINAR#96は、きたる10月21日(水)、斎田寛之氏(埼玉県開業)を招聘し、「ペリオ教室 LIVE ― 歯を残すために、何をみて、どう考えるか ―」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINERお申し込みはいずれもこちらから。