ITI Section Japanの「顔」

2022年9月号掲載

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2022年9月号掲載

ITI Section Japanの「顔」

日本の立ち位置をさらに確立できるような役割を果たしたい

 The International Team for Implantology(以下、ITI)は、34のセクション、1,200名を超えるフェロー、18,000名以上のメンバー(2022年6月現在)を擁する国際的な非営利学術組織である。現在、セクション・ジャパンには1,300名を超えるメンバーが在籍している。本欄では、新しくチェアマンに就任した古谷野 潔氏(九州大学大学院歯学研究院特任教授)に、日本における今後の取り組みや展望についてうかがった。

古谷野:ITIの理念は、インプラント関連分野の教育や研究などを促進・普及させることです。ITIのセクションの数は世界中で増え続けており、各セクション(国)ではフェローとメンバーが一緒になって知識や情報を交換し、ITIの理念を共有しています。コンセンサスミーティングや出版物などをとおしたエビデンスベースで、インプラント治療を世界に普及させる取り組みがITIの特長です。

 これから4年間の任期を務めるなかで、基本的にはITIインターナショナルの活動を主軸として展開していきます。会務運営はEducation Delegate(教育監事)の窪木拓男先生(岡山大学)、近藤尚知先生(岩手医科大学)、Study Club Coordinatorの柳井知恵先生(日本歯科大学)、出張裕也先生(札幌医科大学)、Communication Officer(広報担当)の山下素史先生(福岡県開業)、上浦庸司先生(北海道開業)、そしてSection Managerの嶋田 敦氏(ストローマン・ジャパン株式会社)を中心に業務を遂行していくことになります。これまでチェアマンを務められてきた船越栄次先生(福岡県開業)と勝山英明先生(神奈川県開業)にも名誉チェアマンとして執行部に参加していただきます。

 現在、ITI Study Clubは世界各地700以上あり、日本もこのStudy Clubをとおして会員がエビデンスに基づく知識や技術を学んでいます。日本では41のStudy Clubが運営されていて、それぞれで年に3~4回程度、参加費無料で例会が開催されています。また、ITIにはフェローシップ制度があり、ITIの理念のもとにしっかりとした専門知識を有するフェローが日本には90名(2022年4月現在)ほどいます。今後さらにフェローを増やし、活動の幅を広げていきたいと考えています。

 ITIは、エビデンスに基づく信頼性の高いデータベース(教育コンテンツ)を構築していることが大きな特長の1つとして挙げられます。メンバーはその膨大かつ有益なデータに無料でアクセスできますが、そのほとんどが英語です。

 そこで私たちとしては、ITIの充実したコンテンツを会員がよりアクセスしやすく学びやすいように、日本語での対応も順次進めて提供していきたいと考えています。アジアにおいて、リーダーシップ的な役割を担う魅力的な組織として活性化させることが求められているなか、ITIインターナショナルの中での日本の立ち位置をさらに確立できるような役割を果たしたいと思います。