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2013年3月30日

第15回日本在宅医学会大会開催

多職種約3,000名が参集し、盛会となる

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 さる3月30日(土)、31日(日)の両日、ひめぎんホール(愛媛県)において、第15回日本在宅医学会大会(永井康徳大会長、前田憲志代表理事)が「生き方に向き合う在宅医療~高齢社会から多死社会へ~」をテーマに全国各地から約3,000名の関係者が参集し、盛大に開催された。2日間わたり、講演・シンポジウム、市民公開講座、職種別交流会、ワークショップ、ランチョンセミナーなど約180題に及ぶ多数のプログラムが展開された。

 初日の開会式後、メインホールでは新谷幸子氏(厚生労働省医政局指導課在宅医療推進室)、辻 哲夫氏(東大高齢社会総合研究機構)による特別講演「多死社会を迎えて在宅医療が果たす役割」が行われた。また、午後に行われた代表理事講演「超高齢社会に向けて日本在宅医学会が果たす役割」(前田憲志氏、医師)や大会長講演「生き方に向き合う在宅医療~高齢社会から多死社会へ~」(永井康徳氏、医師)では、それぞれの立場から在宅医療の現状と課題や今後の展望などが述べられた。

 2日目の午前では、多職種によるシンポジウム「『食』を支援する多職種連携」が行われ、医師、歯科医師、管理栄養士による「口から食べること」に関する取り組みが紹介され、多数の参加者の関心を集めていた。また、午後のメインホールでは大島伸一氏(国立長寿医療センター総長)による基調講演を含めたシンポジウム「国立長寿医療センターの取り組み」が行われ、在宅医療ナショナルセンターとして在宅医療を普及させるために取り組んでいる関連事業や研究データが多数示された。

 なお、本大会では「多死社会を迎え、避けられない死から目を背けず、患者にとっての幸せや生き方に向き合う医療と介護を提供しよう」という「終末期の医療と介護に関する松山宣言」が採択された。

 超高齢社会を迎えたわが国において、医療が「治す医療から支える医療へ」と求められるなか、在宅医療の果たす役割とその可能性が多職種から発信されるたいへん充実した会となった。