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2016年11月19日

全国訪問歯科研究会(加藤塾)、2016年度岡山大会を開催

多職種からなる参加者による熱い情報交換が終始行われる

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 さる11月19日(土)、20日(日)の両日、岡山ロイヤルホテル(岡山県)において、全国訪問歯科研究会(加藤塾、加藤武彦代表)による2016年度岡山大会が開催された。本会では、加藤氏(神奈川県開業)を中心に、装具としての義歯製作の研鑚を目的に活動が始まり、昨今では訪問診療はもちろん、地域の多職種とともにそれぞれの現場で「口から食べられる」ための介入をすべく熱心に取り組んでいる。今回は「地域包括ケア~介護予防にもっとかかわろう」をテーマに企画され、歯科医療者だけでなく、医師、看護師、セラピスト、介護職など240名が参集した。

 1日目はまず、本会のテーマにもある「介護予防」を軸に、4本の特別講演が行われた。山口 昇氏(公立みつぎ総合病院名誉院長・特別顧問)は地域包括ケアシステムの経緯について、創案・構築にかかわった立場ならではの貴重な講演を行った。次に、荒井秀典氏(国立長寿医療研究センター副病院長)がフレイル、サルコペニア研究の第一人者として、膨大な研究データを提示しながら双方に関する解説を行った。荒井氏の講演を受ける形で、渡邉 裕氏(東京都健康長寿医療センター)は特にオーラルフレイルに特化した内容を掘り下げて詳説した。最後に、加藤代表が自身の数十年に及ぶ歯科医療の中から、オーラルフレイルに関するものについて熱く語った。講演後、演者全員によるディスカッションが行われ、白熱した議論が交わされた。

 懇談会を挟む形で、夜にはナイトセッションが企画され、口腔ケアや食事介助時のポスチャリング(臥位、立位、座位時の姿勢調整)について、舟木美砂子氏(アイ・ソネックス株式会社代表取締役)による講話などが行われた。

 2日目は、特別企画「みんなに知ってもらいたいデンチャースペース義歯の神髄」が行われた。ここ数年、加藤塾が基本としている義歯製作のテクニックについて年次大会だけではフォローしきれていない実態を受け、歯科医師同士で学んだり相談したりできる場として、「加藤塾総義歯研究会」が発足。本セッションでは、研究会で次々に立ち上げられている各支部について、それぞれ紹介がなされた。

 この他、一般口演では、冒頭でも述べた「口から食べられる」ための取り組みについて、全国各地の参加者から報告された。職種の垣根を越えて合同でプレゼンが行われた様子に本会の目指す姿が垣間見え、今後のさらなる発展におおいに期待をもてる内容となっていた。