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2016年12月3日

第35回日本接着歯学会学術大会開催

「Frontier~接着の未知なる領域への飛躍」をメインテーマに

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 さる12月3日(土)、4日(日)の両日、北海道大学札幌キャンパス学術交流会館(北海道)において、第35回日本接着歯学会学術大会(佐野英彦大会長、矢谷博文理事長)が盛大に開催された。

 本大会ではメインテーマに「Frontier~接着の未知なる領域への飛躍」を掲げ、口演発表13題、接着材の新たな可能性が披露されたシンポジウム1「新しい接着領域への探求」、接着がカギとされるファイバーポストに焦点を当て、その保険治療への導入の経緯と臨床応用の実際までが解説されたシンポジウム2「ファイバーポストA to Z」のほか、各種接着システムの長期耐久性や接着強さなどの物性の評価が多く披露されたポスター発表などが行われた。

 シンポジウム1「新しい接着領域への探求」(座長:日野浦光氏、東京都開業/西谷佳浩氏、鹿児島大教授)ではDr. Ricardo M Carvalho(カナダ・ブリティッシュコロンビア大教授)、清村正弥氏(熊本県開業)、Dr. Denis Selimovic(北大准教授)、吉田靖弘氏(北大教授)の4名が登壇し、4-METAが創面塗布されることで縫合やサージカルパックの役目をするSBパック法、アフタに対する疼痛緩和、歯肉と反応させることによるアルツハイマーへの効果、さらには接着性人工骨(リン酸化プルラン)の再生医療への応用など、接着の臨床応用の拡大に向けた話題が披露された。また、シンポジウム2「ファイバーポストA to Z」(座長:矢谷博文理事長、阪大教授)は、保険導入されたファイバーポストのその経緯を坪田有史氏(東京都開業)が解説。さらにその臨床応用の実際を小林國彦氏(北大准教授)と渥美克幸氏(埼玉県開業)が解説したもの。

 近年、氷河期ともいわれた本邦の接着領域であるが、海外輸出という観点からはあいかわらず隆盛の時代のようである。シンポジウム1の内容が現実味を帯びてくれば、今まで以上に世界をリードする時代が来るのかもしれない。