社会|2026年3月4日掲載
「トータル矯正ソリューションの新時代」をテーマに
SPARK Innovation Forum 2026開催
さる3月1日(日)、グランドプリンスホテル高輪(東京都)において「SPARK Innovation Forum 2026」(エンビスタジャパン株式会社主催)が開催され、約270名が参集した。「トータル矯正ソリューションの新時代」をテーマとした本会は、日本で販売が開始された米国・Ormco社のアライナーシステム「SPARK」を軸に、日本市場においてOrmcoを擁するエンビスタジャパンが展開する固定式装置を含む矯正歯科器具、補綴・修復歯科機器の幅広いラインナップをふまえ、各識者が包括的な矯正歯科治療のあり方について多角的に論じる場となった。
まずWelcome Message としてVeronica Acurio氏(Ormco社President)、坂野弘太郎氏(エンビスタジャパン株式会社代表取締役社長)が登壇した。氏らは、長年にわたり矯正歯科器具というかたちでイノベーションを生み出してきたOrmco社であるが、ラインナップにSPARKが加わった今後もさらに「幅広い矯正ソリューションの提供」「日本の顧客向けサポートの充実」「学術・教育・研究への貢献」の観点から矯正歯科医とともに歩む旨を述べた。またDavis Gideon氏(SPARK Global Business Team)が「SPARK Innovation」と題し、SPARKシステムの特長や使い方を解説した。特にアライナーの適合性、矯正力の持続性、それにともなうリファインメント回数の減少、透明性などの素材の利点についてエビデンスを引きつつ詳解した。またEvan Tsai氏(SPARK Global Advanced Development)が「What truly matters in Clear Aligner Treatment」と題し、同システムの治療計画用ソフトウェア「StageRX」のオペレーションについて実際にソフトウェアを用いながら解説した。特に、歯科医師とアライナー製造技師との間に生じるディスコミュニケーションをできるだけ省いたインターフェイスと使用法の説明に時間が割かれた。
次のプログラム「日本における矯正治療の今後について」では、吉住 淳氏(東京都開業)が「スパーク・システムの効率的な活用‐StageRX」を、川鍋 仁氏(奥羽大学主任教授)が「インターディシプリナリーアライナー治療」を、槇 宏太郎氏(昭和医科大学特任教授・昭和医科大学歯科病院病院長)が「日本が目指すべき矯正治療について」をそれぞれ講演した。吉住氏はTsai氏の講演を補完するようにシステムとソフトウェアの医院運営上の活用について述べた。川鍋氏は矯正歯科治療のパラダイムシフト、外科的矯正治療とアライナーの併用、遠隔医療の必要性とアライナー矯正治療の親和性について述べた。槇氏は、日本では高齢化によって今後補綴治療とインプラント治療の需要が高まり、それにともない矯正歯科治療においても他科との協働は増えていくとした。さらに咬合学において見過ごされてきたひずみの問題、包括的歯科治療における課題やアライナー矯正治療における問題点と対策について述べつつ、今後の日本における矯正歯科治療および歯科治療全体を展望した。
最後にパネルディスカッション「グローバルトレンドと日本が目指す包括的矯正治療アプローチ」が行われ、座長として槇氏、川鍋氏、パネリストとして甘利佳之氏(東京都開業)、鎌倉 聡氏(愛媛県開業)、常盤 肇氏、文野弘信氏(ともに東京都開業)、山田尋士氏(大阪府開業)、綿引淳一氏(東京都開業)が登壇した。氏らは、補綴治療と相性がよくさらなる需要増が見込まれるアライナー矯正治療との包括的歯科治療について、補綴歯科とコミュニケーションや知識を共有し、同じ目標に向かって治療を行う必要性をおおいに語り、本会は盛会のうちに閉幕した。