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2019年12月7日

一般社団法人ジャパンオーラルヘルス学会第22回学術大会開催

「健康増進のための口腔健康管理」をテーマに

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 さる12月7日(土)、日本歯科大学生命歯学部(東京都)において、一般社団法人ジャパンオーラルヘルス学会第22回学術大会(下山和弘大会長、山根源之理事長)が「健康増進のための口腔健康管理」をテーマに開催され、約270名が参集した。当日は、特別講演、教育講演、シンポジウム、ランチョンセミナー、口演発表などのプログラムが企画された。

 午前の部では、シンポジウム「口腔機能管理」が行われ、3名の演者が登壇。まず、水口俊介氏(医歯大大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)は、日本老年歯科医学会で口腔機能低下症という疾患名を設けた経緯や7つの評価項目について紹介し、高齢期の口腔機能を管理する意義を概説した。次に、外木徳子氏(千葉県開業)は低年齢から取り組む口腔機能育成として、特に離乳食期を中心に具体的なアプローチを詳説した。最後に、武井典子氏(公益財団法人ライオン歯科衛生研究所)は口腔機能管理の一環として住民を対象に実践している活動を示すとともに、自身が会長を務める日本歯科衛生士会の生涯研修などについても触れた。

 午後の部では、まず特別講演として小松本 悟氏(足利赤十字病院 院長)を招聘。同院では2010年よりリハビリテーション科に歯科を設置したということで、それ以来実践し続けている医科歯科連携について紹介された。それにより、入院患者の肺炎発症率が大幅に下がったことで、在院日数の減少、そして増収にもつながっていることが明らかにされた。さらには、経口移行率も非常に高く、常食でのゴールも可能になっており、「最期まで口から食べる」という同院のコンセプトがそのまま現れた結果となっていた。

 最後に行われた教育講演では、川口陽子氏(医歯大大学院健康推進歯学分野教授、同大学歯学部附属病院 息さわやか外来 診療科長)が「口臭治療最前線 ~口臭の検査、診断、治療、予防について~」と題し講演を行った。氏は、口臭の9割は口腔内の疾患や異常を原因としているため、歯科がまず対応すべきであり、専門外来だけではなく地域の歯科医院で診てほしいと強調。そのうえで、口臭の発生原因や国際分類について解説するとともに、歯科医療者が行える検査方法や対応などについて詳細に述べ、参加者の関心を集めた。