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2020年11月3日

第11回Shurenkai web SOUKAI 2020開催

「患者満足度」の意義について、中村健太郎氏が講演

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 さる11月3日(火)、第11回Shurenkai web SOUKAI 2020(中村健太郎主宰)が「みんなで目指そう! 患者満足度を勝ち得る補綴歯科治療を」をテーマに、オンラインミーティングプログラムのZoomで開催された。毎年同日に愛知県名古屋市で開催されてきた本会だが、今年は初のオンライン開催となった。当日は、大会テーマにも掲げられた「患者満足度」について中村氏(愛知県開業)による講演が行われた。

 氏はまず、「患者満足度」というとサービス業のイメージが強く、コミュニケーションなどばかり偏重されている傾向があると指摘したうえで、患者がもっとも関心をもっているのは「医療の質」であることが明らかになっていると断言。良質な医療の提供が医療人のあるべき姿であり、患者の満足を得るために、そして健全な歯科医院経営においてももっとも基本になると述べた。

 次に、良質な医療を担うプロフェッションの前提条件は国家資格を有する医療者であると示し、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の意義をあらためて強調。そのうえで、歯科助手、受付も含めたパラデンタルスタッフ全員によるチーム医療の提供が必要であるが、その際には患者を主体としたPOS(problem/patient oriented system)に根付いた医療であること、患者一人ひとりの背景を考慮したオーダーメイド医療であることが不可欠であるとした。特に補綴歯科治療においては、医療者を主体として画一的に全顎の治療が行われている現状があるということで、警鐘を鳴らした。

 また、「医療の質」を構成する要素として、構造、過程、結果の3つを挙げたうえで、とくに設備、器材などにかかわる構造に関しては院内感染対策を中心に敬遠されがちであるが、患者満足度につながる投資として捉えるべきであると主張した。

 最後に、プロフェッションのなかでもさらに高みに上がるための指標として、歯科専門医の重要性についても説いたうえで、「Shurenkaiでは今後、単なるスタディグループではなく、認定研修機関として専門医の育成によりいっそう尽力していく」という決意を表明し、講演が締めくくられた。

 このほか、講演の前後には協賛企業によるプレゼンテーションも行われた。