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2021年6月24日

クインテッセンス出版株式会社、第9回WEBINARを開催

今井一彰氏による「もっとまるわかり鼻呼吸」をテーマに

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 さる6月24日(木)、今井一彰氏(医師、福岡県開業)によるWEBINAR #9「もっとまるわかり鼻呼吸」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催され、140名以上が参集した。本講演では2020年11月に出版された『鼻呼吸 歯医者さんの知りたいところがまるわかり: 鼻と口の呼吸で何が違う? なぜ違う?』の中から3つのトピックについて詳説した。

 氏は、はじめに口呼吸がなぜ他の病気に影響するのかについて、さまざまな症例や論文を供覧。代表的な口呼吸の症状として睡眠障害や病巣疾患(鼻咽頭・口腔疾患)、酸素不足、エネルギー代謝変化を挙げ、口呼吸によって病巣疾患ができることや、その慢性的な炎症が免疫寛容を崩すことにより次の病気を引き起こすと説明した。一方で尋常性乾癬患者などを例に挙げ、口呼吸が鼻呼吸に代わると微小な炎症が鎮まる可能性、また症状が改善することを示し、小児期からの鼻呼吸啓発の重要性について述べた。
 
 次に、氏が考案した「あいうべ体操」について言及。「あいうべ体操は4つの文字だけで良いのか」には、トレーニングは覚えやすくいつでも実行しやすいものであることが重要とする持論を展開した。また、難しい病気には難しい治療が必要だと考えがちであるが「口をできるだけはやくパクパク動かす」、「細いストローでヨーグルトを吸う」など、意外と単純なことで口呼吸が治ることを強調した。
 
 最後に、口呼吸の割合について解説。データによってばらつきが大きいことについてふれ、保護者の申告(約30%)と専門家の見立て(約60~70%)に大きな乖離があると述べ、口呼吸の診断は専門家が診断することが大切と訴えた。

 講演後の質疑応答では、終了時間を超過してもなお多くの質問が寄せられるなか、受講者の要望に応え、「あいうべ体操」を披露する場面も見られ盛会となった。
 
 なお、第11回WEBINARは、きたる7月14日(水)20時より、長尾龍典氏(京都府開業)を招聘し、「開業医のための前歯部アライナー矯正導入・実践編」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。