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2021年8月17日

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

認知症と歯科をテーマとした第2弾が盛会となる

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 さる8月17日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医療関係者を中心に50名以上が参加した。今回は前回に続く第2弾として、認知症と歯科(Dementia & Dentistry)をテーマに、認知症専門医である内田直樹氏(医師、たろうクリニック院長)による特別講演「認知症の基礎知識―みんなの認知症見立て塾―」が行われた。

 開会後、内田氏より認知症による見立てとして「第一段階 状態の評価」「第二段階 改善可能な部分の検討」「第三段階 認知症原因疾患の検討」「第四段階 医療モデルと社会モデル」の4段階の中の第一段階と第二段階を中心に解説がなされた。氏は、第一段階である生活障害の評価として、IADL(Instrumental Activities of Daily Living)とBADL(Basic Activity of Daily Living)の障害をはじめ記憶や病識の障害など、代表的な認知機能障害について言及。治療可能な認知症は適切なタイミングで治療を行わなければ治療不可能となってしまうことから、疾患の状態や気づきのポイントについても指摘し、改善可能な部分の評価と対応し続けることの重要性をアピールした。

 引き続き、コアメンバーである荻野洋一郎氏(九大大学院歯学研究院口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野准教授)による講演「認知症 歯科からできること」が行われた。荻野氏は、補綴専門医の立場から認知症を取り巻く環境をはじめ、低栄養状態から認知症となるリスク因子、咀嚼と認知症の関係など多数の文献を供覧。また、認知症患者における自身の臨床経験を披露するとともに、口から食べるための咬合力を維持することによる認知症の発症リスク軽減への寄与や、認知症患者への口腔ケアを含めた歯科的介入の役割について解説した。

 講演後は、内田氏を交えながら参加者とのディスカッションが行われた。参加者からは普段の診療現場のなかでの認知機能の低下に気づくポイントや、病型に応じた歯科的対応の必要性など、多数の意見が出され盛会となった。