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2022年6月5日

株式会社ジーシー、サイトランスWebセミナーを開催

「Update:サイトランスグラニュール・FGF-2を用いた組織再生療法」をテーマに、南 昌宏氏、片山明彦氏、船登彰芳氏が講演

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 さる6月5日(日)、サイトランスWEBセミナー(株式会社ジーシー主催/科研製薬株式会社、クインテッセンス出版株式会社後援)が「Update:サイトランスグラニュール・FGF-2を用いた組織再生療法」をテーマにWeb配信にて開催された。

 本セミナーの講師は、南 昌宏氏(大阪府開業)、片山明彦氏(東京都開業)、船登彰芳氏(石川県開業)ら3名で、flap stabilityの観点からみた軟組織治癒の理解とともに結合組織との併用の有効性を共有し、さまざまなフラップデザインを用いた組織再生療法を供覧した。

 最初に南氏が、「軟組織の創傷治癒の理解と結合組織の役割」のタイトルで講演。冒頭で、組織再生療法において露出根面上への歯肉の付着が重要であることと、根面被覆術の成功のポイントが歯肉の安定であることから、両者の治療ゴールの類似を指摘した。そして、症例を提示しながら、flap stabilization のためのCTGを併用した根面被覆術の手法が、組織再生療法への応用に有効であることを解説された。

 続く片山氏は、「歯周組織再生療法 True Regenerative Therapy」のタイトルで講演。冒頭で、再生療法の治療効果について、治療法や再生材料の選択よりもだれが治療するかによる差が大きいことが論文でも確認されており、まずは手術・手技を学ぶことが重要であると述べた。そのうえで、タイトルにもある“True Regenerative Therapy”とは、支持組織の再生のみでなく、失われた軟組織(歯肉退縮・歯間乳頭など)の再生も含むと説明し、歯周組織再生療法における4つの要因やその成功のためにフェノタイプの改善が必要なこと、歯間乳頭部の切開によるフラップデザインの分類や、軟組織と角化歯肉幅によるディシジョンツリーの各分類の症例などを解説し、再生療法時のポイントをまとめた。

 最後に講演した船登氏は、「天然歯・インプラント周囲のTissue management」のタイトルで、天然歯編とインプラント編に分けて講演。天然歯編では、船登氏らが考案したテクニックであるHIT(horizontal incision tunnel)テクニックおよびVIT(vertical incision tunnel)テクニックを用いて、再生療法を行った症例を供覧。インプラント編では、自身が名付けたMinimally Invasive Resorbable Membrane Pouch Techniqueの利点や適用できないケースなどを解説。また、新たに試みているという、リグロスを用いた手法も示された。

 総合討論では、吸収性メンブレンの使い分けやサイトランスグラニュールのサイズによる使い分けなど、臨床での具体的な適用に関する質問が多く寄せられ、盛り上がりをみせた。