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2022年7月24日

(一社)日本インプラント臨床研究会、第16回全員発表研修会を開催

昨年に引き続きハイブリット形式の開催で130題の演題を発表

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 さる7月24日(日)、東京ミッドタウン・カンファレンス(東京都)おいて、一般社団法人日本インプラント臨床研究会(田中譲治会長)による第16回全員発表研修会が開催された。昨年に引き続き現地会場とWeb配信のハイブリット形式で行われ、会場には企業を含め約100名が参集し、Web配信には約80名の参加があった。

 新型コロナウイルス第7波の急拡大の影響を受け、若干名の参加キャンセルはあったものの、前年の124題を上回る130題(口頭発表19題、ポスター発表111題)の発表があり、会場の随所で発表者と参加者との白熱した議論が交わされていた。特に、デジタル技術の進歩が目覚ましい動的ガイデッドサージェリーの分野では、ベテラン会員の熱心な質問に対し、若手会員がシステムやテクニックを詳細に解説するなど、互いに研鑚する姿が見られた。また、ポスター会場はリアルタイムで発表が中継され、口頭発表ではチャットで質問を受け付けるなど、オンラインからでもライブ感ある参加ができるよう工夫されていた。

 ポスター発表は本研究会の伝統でもある全参加者による投票で、最優秀賞と優秀賞が決められた。以下に各部門の最優秀賞と優秀賞の結果を示す。
 
A 骨造成&サイナスフロアエレベーション
 最優秀賞:「上顎右側臼歯部欠損に対しステージドアプローチによりインプラント治療を行った2症例」(齋藤琢也氏、群馬県開業)
 優秀賞:「頬舌的に貫通した骨欠損に対するソケットプリザベーションの一症例」(古市嘉秀氏、京都府開業)
B デジタルデンティストリー&矯正歯科
 最優秀賞:「プロビジョナルレストレーションをデジタルトランスファーした前歯部審美インプラント」(浅賀勝寛氏、埼玉県開業)
 優秀賞:「エッジロス」(木村健二氏、協和デンタル・ラボラトリー)
C 動的・静的ガイデッドサージェリー
 最優秀賞:「X-Guide®(Dynamic 3D Navigation System)を使用してインプラント埋入を行い、IOS(3Shape Trios®)にて補綴を行った一症例」(砂盃 清氏、群馬県開業)
 優秀賞:「動的ガイド手術X-GUIDEを使用したインプラント治療」(山田陽子氏、東京都開業)
D抜歯即時&ショート・ナロー
 最優秀賞:「上顎前歯部に抜歯即時埋入を行った症例」(菅野岳志氏、千葉県勤務)
 優秀賞:「ナローサイズインプラントを下顎大臼歯部に埋入した25年経過症例」(星野和正氏、東京都勤務)
E ペリオ&インプラント周囲外科
 最優秀賞:「上顎前歯部にインプラント埋入を行い硬、軟組織造成を応用し咬合機能および審美的回復を図った症例」(芦澤 仁氏、東京都開業)
 優秀賞:「広汎型慢性歯周炎患者に包括的歯科治療を行なった1症例」(関口 亮氏、埼玉県開業)
F 咬合&インプラントスタディー
 最優秀賞:「歯根破折後インプラントでリカバリーした1症例」(甲斐智之氏、兵庫県開業)
 優秀賞:「顎機能障害を伴う患者に対するインプラントを用いた咬合再構成」(星野修平氏、東京都開業)
G インプラント補綴&オーバーデンチャー
 最優秀賞:「ボーンアンカードブリッジによる7歯以上欠損症例に際して行ったインプラント術前の歯科治療」(三堀陽介氏、神奈川県開業)
 優秀賞:「下顎にインプラントオーバーデンチャーを適応した1症例」(百瀬康仁氏、東京都開業)
 優秀賞:「IOSを用いてインプラントオーバーデンチャーを作成した1症例」(河合正樹氏、埼玉県勤務)

 また午後の部では松川敏久氏(大阪府開業)による特別講演「インプラント抜歯即時埋入による上顎前歯部審美修復治療」が行われた。氏が約20年前に初めて抜歯即時埋入を行った症例から、近年のネオスインプラントシステムを用いたDr. Shanelecのスマイルテクニック症例まで、長年にわたり蓄積された豊富な症例データが示された。質疑応答の際には、短い時間ながら会員から質問が相次ぎ、積極的な意見交換が交わされた。

 会の最後で表彰式が行われ、最優秀賞受賞者の中から齋藤氏が代表として田中会長よりトロフィーが送られ、和やかなムードの中で閉会を迎えた。