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2009年1月10日

第25回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」開催

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 さる1月10日(土)、歯科医師会館にて第25回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」(日本歯科医学会主催、江藤一洋会長)が開催された。本集いは、各専門領域の間で情報を交換し、研究の活性化をはかることを目的として毎年開催されている。今年も10題の演題発表、ポスターディスカッションが行われた。

 冒頭、江藤一洋会長は挨拶のなかで「歯科は、アメリカのMITのような研究機関を設立し、若手の人材を育成・確保することが必要」と述べたうえで、研究者の育成には時間を要することから、各大学における対応と、今回のような各専門領域間における交流の場の必要性を訴えた。

 その後、午前の部では5題の演題が発表された。なかでも「国立長寿医療センターにおける歯科用光干渉断層診断装置(OCT)の臨床応用と歯科医療界に対する将来的展望」で登壇した角 保徳氏(国立長寿医療センター病院先端医療部口腔機能再建科医長)は、非侵襲性、非破壊性、非接触撮影、高解像度などを有するOCTの特性について供覧した。角氏らは、すでに産官共同で歯科用OCT機器を開発しており、X線、CT、MRI、超音波検査に続く最先端の医療撮影技術として、歯科口腔外科領域における今後の展開について述べた。

 また、午後の部では、「レーザーを用いた新規セラミック修復法の開発」で登壇した二瓶智太郎氏(神歯大保存修復学)が、レーザー照射による新規保存修復法について説明した。二瓶氏は、さまざまなレーザーが開発されているなか、歯質と一体化を目指した修復・補綴処置へ応用した使用法についての報告が僅かであることに言及。そのうえで、セラミック系材料をレーザー照射によってエナメル質表面に融着させ、歯質表面をセラミック化するという、新しい歯質保存修復法および予防法を示した。

 発表のなかには、医科との連携を図るという内容が多く聞かれたが、会場からは歯科分野ならではの研究の必要性が出されるなど、積極的な質疑応答も行われ、自由に意見交換できる一日となった。