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2009年9月10日

「ビスフォスフォネート製剤投与患者における口腔管理の重要性」が開催

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 さる9月10日(木)、国際医療福祉大学三田病院(東京都)において、「三田Forum~ビスフォスフォネート製剤投与患者における口腔管理の重要性~」(ノバルティスファーマ主催)が開催された。本会は、骨を守る薬が逆に骨を壊死させてしまうビスフォスフォネートの副作用に対する対応を医科と歯科から考えようと開催されたもの。

 癌の骨転移や骨粗鬆症に対する治療薬ビスフォスフォネートの長期投与は、破骨細胞と骨のリモデリングを抑制することにより創傷の治癒を遅延して顎骨壊死をさせることがある。また本剤の長期投与患者に歯科側の外科的侵襲(抜歯、歯周外科、インプラント埋入など)が加わると、顎骨壊死のリスクを7倍に高めてしまうという実情がある。

 医科側から吉本賢隆氏(国際医療福祉大三田病院乳腺センター)、歯科側から矢郷 香氏(慶応大歯科・口腔外科)、上野尚雄氏(国立がんセンター中央病院歯科・口腔外科)がそれぞれ講演した。

 顎骨壊死の歯科の対応として、病気分類のstage1、2では、抗菌薬の長期投与と洗浄・含嗽による口腔管理、stage3ではビスフォスフォネートを休薬(3か月)しての腐骨の除去があげられ、症例報告が行われた。BP関連顎骨壊死は保存治療で62%は治癒するという。また、BPの長期投与患者への口腔ケアは顎骨壊死のリスクを1/3に下げるという報告があったが、保存療法か外科療法か今後さらなる検討が必要であろう。医科と歯科の連携によるガイドラインの早期完成が望まれる。

 なお、小社ではRobert E. Marx著の日本語版として『顎骨壊死を誘発するビスフォスフォネート/経口薬あるいは静注薬―歴史、病因、予防、治療―』を10月に刊行予定。