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2010年11月27日

第4回WDC総会盛会となる

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 さる11月27日(土)、28日(日)の両日、東京ウィメンズプラザ(27日)およびスタジアムプレイス青山(28日、いずれも東京都)において、第4回WDC総会(WDC主催、林 美穂会長)が開催された。本会を主催したスタディグループ「WDC」は、「Women Dentist Club」の略称であり、文字通り女性歯科医師による女性歯科医師のためのスタディグループ。歯科医師の増加とともに女性歯科医師の比率も増加している現在、女性特有のハンディキャップを乗り越え、女性ならではの視点による臨床の研鑽、そして女性歯科医師が活躍しやすい社会の実現を目指している。昨年4月の発足以来話題を呼んでおり、現在の会員数は全国で110名あまり。当日は67名の参加者を迎え、盛大に開催された。

 初日の会場ではまず、天川由美子氏(WDC東日本支部長)および林会長の挨拶の後、二階堂雅彦氏(東京都開業)による講演「歯周治療 今日まで、そして明日から」が開催された。冒頭、「米国で歯周病専門医の資格を得て10年あまりが経過した今を振り返りたい」とした二階堂氏は、(1)重度歯周炎への対応、(2)天然歯・インプラントのティッシュマネージメントの2点を軸に講演を展開。(1)については各種統計・論文から「人口の1割程度が重度歯周炎に罹患するリスクをもっている」としたうえで、重度歯周炎に対する個別原因への対応、細菌検査・抗菌剤の投与、確定的治療、SPTなどについて詳説した。また(2)については、1970年代に骨移植が開始されてからの歴史を概観したうえで、EMD製剤(エムドゲイン®、生化学工業、ヨシダ)の応用やFGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)、PDGF(血小板由来成長因子)への期待などについて述べ、実際の症例も多数供覧された。

 引き続き2日目には、石井 宏氏(東京都開業)が登壇。「世界標準の歯内療法 ―歯内療法学的臨床学とは―」と題し、米国歯内療法専門医ならではの根拠に基づいた歯内療法について語られた。石井氏は、歯内療法の目的が「根尖性歯周炎の予防と治療」にあることを再三にわたって強調。歯内療法の各工程はすべてその目的のためにあることを示しつつ、髄腔開広・根管形成のチェックポイントや根管充填法の選択、さらには仮封の注意点などについても詳説した。

 また、2日目には会員発表も行われた。演題は以下のとおり。(1)「診査・診断の重要性と根管治療」(柴原由美子氏、くらとみ歯科クリニック)、(2)「歯内-歯周病変を含んだ重度慢性歯周炎の1症例」(伊ヶ谷恭子氏、雑司ヶ谷デンタルクリニック)、(3)「感染根管への私の取り組み」(西村和美氏、山口県開業)、(4)「Considerations in treating diastema patient with direct bonding technique」(塙 真樹子氏、土屋歯科クリニック&Works)、(5)「CBCTを用いた感染根管処置 ―デンタルX線画像とCT画像の併用―」(吉浦由貴子氏、歯科糸瀬正通医院)。いずれも入会から間もない演者らによるプレゼンテーションであったが、基礎的な資料収集の重要性と、その中から得られた「気づき」が多数感じられ、今後に期待がもてる内容であった。