2024年3月号掲載
日本版オリジナルページ 知っておきたい矯正歯科学の基本の「き」(第4回)
※本記事は、「Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No.3」より抜粋して掲載。
歯科矯正用アンカースクリュー
歯を移動する際の固定源とするために、歯槽骨や顎骨に埋入される小型スクリューの総称である1。スクリュー部分は骨に埋入され、粘膜組織外に露出したスクリュー頭部と歯、あるいはワイヤーやアライナーに設置したフックやボタンとの間にエラスティックなどをかけることで、歯あるいは歯列に矯正力を及ぼすことができる。ミニインプラント、ミニスクリューなどとも呼ばれるが、日本においては厚生労働省から「歯科矯正用アンカースクリュー」との名称で医療用器具として承認を受けている(また一時的固定装置を意味する用語「TAD」は本装置を指す場合が多く、本稿では以下TADと表記する)1。現在、国内においてこの名称で医療機器として登録されている製品は12ブランドある(図1)2。本装置によってアンカレッジロスの生じない絶対固定が実現し、患者の協力がなくても、複数歯一塊の遠心移動や臼歯の圧下などこれまで困難だった治療メカニクスが可能となった。