2025年2月号掲載
日本版オリジナルページ 知っておきたい矯正歯科学の基本の「き」(第15回)
※本記事は、「JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2024年No.2」より抜粋して掲載。
矯正的移動における固定源とは
矯正歯科治療における「固定(源)」とは、歯の不要な動きに対する抵抗力・抵抗源のことと定義される1 。移動のために歯へ矯正力を加えた際、起こる反作用を最小限化し、望ましくない力や動きなどの副作用に対抗するという、矯正歯科治療においてもっとも重要な概念のひとつである。
固定の説明には、ニュートンがまとめた運動力学に関する3 つの法則から「運動の第三法則」が用いられる。これは「作用・反作用の法則」ともいい、「物体Aから物体Bに力が作用するとき、2つの物体間にはたらく力の大きさは同じで、その向きは必ず真逆になる」というものである。これを矯正歯科治療に置き換えると、動かしたい歯(移動歯)に力をかけると、動かしたくない歯(非移動歯)にも必ず同じ大きさの反対方向への力が生じるということである。この反対方向への力が「固定」といわれるものである。