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2020年5月号掲載

試されるメディアリテラシー

緊急企画 新型コロナウイルス 歯科医療とココロについて

緊急企画 新型コロナウイルス 歯科医療とココロについて

※本記事は、「新聞クイント 2021年5月号」より抜粋して掲載。

まずは、読者の皆さんの中で、新型コロナウイルス(以下COVID-19)に罹患、またはご家族を亡くされた方に心からのお悔やみを申し上げます。そして、COVID-19という新しい世界脅威があるなかで、歯科診療を続けてくださる皆さんに、心からの感謝をお伝えします。
 今回は、歯科医療に携わる者としてという視点と、ひとりの人としての視点で、COVID-19に向き合うことをメンタルヘルスの領域から考えてみようと思います。

歯科医療に携わる者として、新型コロナウイルスに向き合う
「自分を守り、人を守り、心の健康を保とう」

 現在多くの国では、患者さんが生命にかかわるような状態ではない限り、COVID-19から歯科医療者を守るために診療を止める勧告を出しています。このような時でも診療を続けることが患者さんのためになるのに……と考え、診療の規模を縮小することに対してストレスを感じる方々は少なくないと考えます。
 この勧告は、COVID-19の流行が沈静化された後の歯科医療の継続を視野に入れたものです。COVID-19は接触と飛沫感染で伝播することがわかっていますので、歯科領域診療はリスクが高いわけです。ウイルスは人を選びません。英国首相でも、人気コメディアンでも罹患し、最悪死に至ります。沈静化された後に、「流行前の高い質と量の歯科医療を速やかに再提供できることが、最終的な人口単位での口腔内健康につながる」という長期的な視点をもち、職業人としてのストレスに折り合いをつけることが、ストレスの緩和に1つの効果があると考えます。
 反対に、いつもどおりの診療を続けることで、罹患の可能性に対するストレスをもつ方も多いでしょう。今こそ皆さんのメディアリテラシーが試されるときです。メディアリテラシーとは、自分が知りたい情報について、正しい情報源から集め、客観的に評価と識別をして、自分のために活かす力です。巷にはCOVID-19についての情報が溢れています。ですが、ここは皆さんには医療者として、厚生労働省や国立感染研究所、WHO(世界保健機関)といった正しい情報を載せている情報源にアクセスしてもらいたいと思います。正しい情報をもつことは、安心感にもつながるからです。
 そして知っているだけではなく、その知識に基づいた行動をすることで初めて、メディアリテラシーが高いということを知ってください。周りにいませんか? 理屈屋だけど、本人は言っていることをなにも実行していない人です。対して、メディアリテラシーが高い人は、患者さんに正しい情報を伝えることができます。そして、この第三者に正しい情報を伝えられることが自己効力感につながります。自己効力感をもっている人は、心の安定度が高いといわれています。医療者として、自分を守ることができ、人を守ることができると、心の健康も保たれるというわけです。

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