2011年4月10日掲載

「模型から口腔に環境を変えた補綴物が何を語るか」をテーマに

<font color='green'><b>第13回SJCDテクニシャンコースOB会総会開催</b></font>

<font color='green'><b>第13回SJCDテクニシャンコースOB会総会開催</b></font>
 さる4月10日(日)、千里ライフサイエンスセンター(大阪府)において、第13回SJCDテクニシャンコースOB会総会「模型から口腔に環境を変えた補綴物が何を語るか―生体の声に耳を澄まそう―」(伊藤泰之会長)が開催された。本会は、スタディーグループSJCDに所属する歯科技工士らにより運営されるグループで、これまでにも歯科技工士や、製作過程上もっとも接点の多い歯科医師による講演など、多くの会を催してきた。しかし、患者の口腔内に装着された補綴物が、生体に調和され長く機能するには、その管理を担う歯科衛生士との密な情報共有も必要となる。そこで今回は、初の試みとして講師に歯科衛生士(土屋和子氏、株式会社スマイル・ケア代表)を招聘し、講演、ディスカッションが行われた。  最初に、森上嘉久氏(歯科補綴極)による「補綴形態とメインテナンス」、田中秀武氏(ナチュラルデンタル)による「デンチャーワークの可能性」、南 富雄氏(ミナミデンタルサービス)による「インプラント周囲組織とクラウンカントゥア」による発表が行われた。3氏は、症例を挙げながら補綴物製作時に考慮した清掃性や、歯科衛生士に伝えたい補綴物の機能面などを述べた。また、発表ごとにコメンテーターとして土屋氏が登壇し、歯科衛生士からのアドバイスを述べた。  その後、歯科技工士および歯科衛生士のダブルライセンスを保有する西村好美氏(デンタルクリエーションアート)と土屋氏との対談が行われ、補綴物製作前に口腔内環境が整備されていることの必要性や、メインテナンス中に使用する清掃用具、歯肉縁下部やオベイド・ポンティック部の清掃方法などの情報交換がなされた。  また最後に、土屋氏による「正しいことを正しく伝えても人は動かない」と題したコミュニケーションスキルに関する特別講演が行われた。土屋氏はコミュニケーション技法の1つであるNLP(神経言語プログラミング)のマスタープラクティショナーの資格を取得している。今回の講演では、患者やスタッフ間で、あるいは歯科技工士・歯科衛生士・歯科医師間での良好な関係を構築するにあたっての具体的な方法を紹介した。  本会には、歯科技工士の他、歯科衛生士や歯科医師らが集まり、総勢350名を超える盛況となった。と同時に、歯科技工と歯科衛生のコラボレーションに強く関心が高いことを実感させるものとなった。

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