さる7月23日(土)、24(日)の2日間、広島県民文化センター鯉城会館(広島県)において、第24回日本顎関節学会総会・学術大会(丹根一夫大会長、覚道健治理事長)/第2回アジア顎関節学会大会(井上農夫男大会長)が「顎関節症の診断・治療のパラダイムシフト」をメインテーマに開催された。
初日の午前はアジア顎関節学会のプログラムが中心となり、まず大会長の井上氏が"Diagnosis and Treatment of Masticatory Muscle Tendonaponeurowsis Hyperplasia"と題してKeynote Addressを行った。その後、シンポジウム"Current state of treatments for TMD and TMJ disease in Asian countries"が行われ、アジア各国の演者らが自国のTMD治療の現状を語った。
その後、Plenary LectureとしてDr. Chris Peck(Professor & Dean, Faculty of Dentistry, University of Sydney)が"An Update on the Biopsychosocial Concepts of Temporomandibular Disorders"と題して講演。午後には日本顎関節学会の特別講演として、Dr. Sunil Kapila(Professor in Orthodontics, University of Michigan)が"TMJ Disorders: Current and Future Innovations in Diagnostics and Therapeutics"と題して講演し、それぞれTMD治療の最新のコンセプトを語った。
また、イブニングセミナー「顎関節症の痛みをどう対処するか?―AAOPの現状と日常臨床―」では、顎関節痛に対する薬物療法をメインに取り上げ、日本で多用されることの多いNSAIDsについて、土肥敏博氏(日本薬科大)が詳説した。さらに、症状・診断によってはアセトアミノフェンが有効であることも示唆され、薬物への正しい理解と使い分けが促された。
2日目は、3つのシンポジウム「一般臨床医における顎関節症の治療の現状:診断と治療の要点は?」、「最新の顎関節治療体系」、「最近のトピックス」や教育講演、市民公開講座など、一般臨床医にとって理解しやすい魅力的な演目が組まれ、両日を通じて行われた一般口演、ポスター展示とともに、会場はおおいに賑わった。