2015年3月8日掲載
「はみがきを科学する」をテーマに
平成26年度「歯みがき学の会」総会開催
まず、遠藤眞美氏(九歯大生体機能学講座老年障害者歯科学分野助教)による開会挨拶のあと、高柳氏が登壇。「歯ブラシを解剖する~歯ブラシの形態と機能~」と題して、既存のブラッシング指導で改善が見られない患者さんに対するアプローチについて述べた。氏は、患者さんによってブラッシング指導が定着しないわけは、歯科医院で教える歯みがきの仕方が患者さんにとって負荷になっているためであり、患者さんの生活に入り込むような、負荷とならないブラッシング指導が求められるという考えのもと、歯ブラシの形状やブラッシング法、患者さんに合わせた歯ブラシ選びの重要性を説いた。
続いて同会の歯科衛生士らが登壇し、ラウンド毛と極細毛の特徴を清掃効率と部位到達性の観点から考察したほか、食後すぐの歯みがきの有効性について、実験をもとに立証した。また、歯科界以外からの参加者である山岸 敦氏(花王株式会社研究員)は、東京都東村山市の中学生の歯肉炎のデータを分析し、画一的なブラッシング指導だけでは、この年頃の子どもたちには特に効果が薄いことを示した。
その後、昨年の同会で集計されたブラッシング指導に関するアンケートの結果が発表されたのち、質疑応答で閉会となった。