社会|2025年8月13日掲載

大河雅之氏がラミネートベニアのデジタル化およびマテリアルセレクションをメインにWeb講演

クラレノリタケデンタル株式会社提供で第77回WEBINARを開催

クラレノリタケデンタル株式会社提供で第77回WEBINARを開催

 さる8月7日(木)、大河雅之氏(東京都開業)によるWEBINAR #77「イノベーション・オブ・ラミネートベニア 20年の臨床と研究が示す価値 ラミネートベニアデジタル化の動き パナビアV5発売10周年記念 特別オンラインセミナー」(クラレノリタケデンタル株式会社提供、山口里志代表取締役社長/クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。

 本Webセミナーは、2024年9月に大河氏が上梓した、自身の20年以上にわたるラミネートベニア臨床について、多数の文献および長期経過症例などを含めてまとめ上げた書籍「イノベーション・オブ・ラミネートベニア 20年の臨床と研究が示す価値」の内容をもとに、特にデジタル化、マテリアルセレクション、そして接着の分野にフォーカスして行われたもの。

 大河氏はまず、接着修復にとって重要な歯質の温存と、そのうえでセラミック製修復物を強固に接着することによって高い審美性と機械的特性を回復することの重要性を多数のデータとともに示し、特にラミネートベニアが安定した予後を示すことを強調した。

 その後これをふまえ、ラミネートベニアに用いることのできる各種材料の特性を比較。二ケイ酸リチウムや長石系陶材、またPICN(Polymer-infiltrated ceramic network;ポリマー含浸セラミックネットワーク)やジルコニアについてそれぞれの特徴や機械的特性について提示した。なかでもジルコニアは、支台歯の色調に問題がある症例、多数歯同時修復症例、クラウンとラミネートベニアが混在する症例、そして270°ベニアや360°ベニアに特に適するとした。また、ミリングマシンによる各種材料の加工性についての実験結果も示し、上述した材料の中でもミリングの細部再現性においてはジルコニアやPICNが良好な結果を示したと述べた。接着性に関しても、適切な内面処理と歯面処理を行うことで良好な結果が得られることを示した。

 また、多数の症例が示されるなか、特に最後には、積極的にジルコニアのマスキング効果と強度を活かした症例を提示。30代のブラキシズムをもつ女性患者に対し、上下顎各6前歯のジルコニアラミネートベニア、上顎臼歯部にはジルコニアベニアレイ、そして下顎臼歯部にはジルコニアクラウンの選択から装着までの過程を詳述しつつ、そこで用いられたノリタケカタナジルコニアやパナビアベニアLC(いずれもクラレノリタケデンタル)の特徴や使用法についても解説された。各材料の特性はもちろんのこと、支台歯形成のコンセプトなども最新のものが提示され、臨床家にとって非常に役立つ内容となっていた。

 なお、本Webセミナーは無料にて2025年11月7日(金)まで振り返り視聴が可能である。次回のWEBINAR #78は、きたる8月28日(木)、中島清史氏と中島世陽氏(いずれも歯科技工士、KNデンタルラボラトリー)を招聘し、「デジタルを駆使した 検査・診断からのトータル技工~デジタルとアナログの融合~」の講演タイトルで開催予定(視聴無料)。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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