2016年9月22日掲載
「医科歯科連携による健康寿命を延ばすトータルケア」をテーマに
フィリップス、シンポジウム2016を開催
ダニー・リスバーグ氏(フィリップス代表取締役社長)による開会の挨拶後、藤澤政紀氏(明海大歯学部教授)と土屋和子氏(歯科衛生士・株式会社スマイルケア代表)のファシリテーターによる進行のもと、4名の講演が行われた。
まず、和泉雄一氏(医歯大大学院教授)が「健康寿命延伸に寄与する歯周病予防」と題して登壇。氏は、歯周病と糖尿病の関係をはじめとする口腔と生活習慣病の関係について多数の症例や文献を供覧しながら、健康寿命の延伸のために歯周病を予防・治療し、口腔の健康管理を進める重要性について述べた。
引き続き、古畑 升氏(日歯大附属病院内科臨床教授、東京都開業)が「睡眠呼吸障害における歯科臨床の実際」と題して、睡眠呼吸障害の早期発見における歯科医師と歯科衛生士の役割について強調。また、歯科ができる睡眠呼吸障害の治療として口腔内装置(マウスピース)だけでなく、口腔の健康管理や全身疾患への理解も求められるとした。
古畑氏の講演を受け、葛西隆敏氏(医師、順天堂大循環器内科心血管睡眠医学呼吸講座准教授)は「循環器・睡眠の病気に関する歯科の重要性」と題して登壇。葛西氏は、睡眠障害の治療の第一選択となるCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が受け入れられない場合の治療として、歯科からのアプローチの必要性を強調しながら、治療成績を向上させるための医科と歯科のさらなるコミュニケーションに期待を寄せた。
最後に、石見 拓氏(京大環境安全保健機構健康管理部/健康科学センター部門長・教授)が「心疾患予防と口腔健康の関連性、地域医療におけるAED普及の重要性」と題し、心疾患予防のための歯科の重要性について言及。また、救急医療の核となるAED(自動体外式除細動器)の設置と習得が地域医療の質を高めることにつながると述べ、AEDのさらなる普及を訴えた。
その後、演者らによるパネルディスカッションでは、会場からの質問を中心に補足説明がなされたほか、医科と歯科が連携するためあり方について充実した意見交換がなされた(パネルディスカッションの詳細は『新聞QUINT』12月号で掲載予定)。また、前半と後半の講演後には多くの時間が割かれて、ホワイエにおいてフィリップス社が展開する製品が実際に体感できる工夫と配慮も見られ、参加者の関心を集めていた。