2021年12月16日掲載

谷田部 優氏が「なるほど納得! パーシャルデンチャー 設計の考え方と臨床」をテーマに講演

WHITE CROSS株式会社、Webセミナーを開催

WHITE CROSS株式会社、Webセミナーを開催
 さる12月16日(木)、Webセミナー「なるほど納得! パーシャルデンチャー 設計の考え方と臨床」(WHITE CROSS株式会社主催)が、講師に谷田部 優氏(東京都開業)を招聘し開催された。

 講演の冒頭で、谷田部氏は「義歯修理は信頼関係を得るための最高のツール」であると述べ、9つの症例を供覧。患者の訴えを速やかに解決することが患者の信頼を得ることにつながるとし、15~20分程度の急患対応で「義歯が当たって痛い」「義歯が壊れた」「義歯が外れる」などの訴えをどう解決していくか、具体的な方法を紹介した。

 次に、本セミナーのメインテーマでもある、患者の満足度の高い義歯をつくるためのパーシャルデンチャーの考え方について解説。パーシャルデンチャーを設計する際に重要となる3つの原則、「義歯の動揺の最小化(うごかない)」「予防歯学的配慮(よごれない)」「破損の防止(こわれない)」に加えて、「感覚・心理的配慮(きにならない)」も重視しているとし、自身はできるだけシンプルで、目立ちにくく、異物感が少ない設計を心がけていると述べた。その後、3つの原則のなかでもとくに重要な動かない義歯を実現するための設計について、その勘所を症例も交えながら詳細に解説した。

 その他にも、義歯の咬合に対する対応、義歯および口腔にとって有害な力をコントロールするうえでの患者指導の重要性、設計面と材料面からの清掃性への配慮、そして義歯洗浄の方法や各種義歯洗浄剤の液性や使い分けなどについて解説。また、定量化しにくく、研究が進んでいないこともあり軽視されがちであるが、パーシャルデンチャーを装着した際の違和感やしゃべりにくさ、審美性など、患者の感覚や心理面への配慮も重要であるとし、それらへの対応の一例として発語についての検査方法や義歯調整のポイントを紹介した。

 講演終了後に行われた質疑応答では、視聴者から多数の質問が寄せられ、盛況であった。

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