2023年2月11日掲載

「Growth Optimization 原因から考える口腔発達と未来~NPDが提案する新しい小児歯科医療のカタチ~」をテーマに

(一社)日本小児口腔発達学会、設立記念講演会を開催

(一社)日本小児口腔発達学会、設立記念講演会を開催
 さる2月11日(土)、TKPガーデンシティPREMIUM京橋(東京)およびWeb配信のハイブリッド形式にて、一般社団法人日本小児口腔発達学会(井上敬介代表理事、木村祐紀学会長)による設立記念講演会が開催された。本学会は、小児の筋機能矯正や予防に関心の高い歯科医師らを中心に活動してきた、名古屋予防歯科勉強会を前身とした会である。近年問題視される口腔機能発達不全症の治療・予防のためにさらに活動の場を広げていくとして、2022年8月に発足した。今回は、その設立を記念して催され、「Growth Optimization 原因から考える口腔発達と未来~NPDが提案する新しい小児歯科医療のカタチ~」をテーマにさまざまな講演が行われた。

 まずイントロダクションとして井上氏(愛知県開業)が登壇。“大流行”ともいえる不正咬合をともなう患者の多さを挙げ、「矯正歯科治療や筋機能療法で治すといった対症療法はなく、予防が求められており、そのためにまずは不正咬合の原因を追究していくことが必要ではないか」と提案した。それを受けて、中野 崇氏(愛知県開業)が「不正咬合を原因から考えた、食べる・飲むの発達支援」、夫馬吉啓氏(愛知県開業)が「子どもの睡眠をみるということ」、木村氏(愛知県開業)が「ヒトはなぜ口呼吸をはじめるのか 覚醒時の呼吸の問題」、伊藤裕人氏(神奈川県開業)が「Why you should know about Tongue-tie.」の演題で登壇。さまざまな視点で不正咬合の原因や関連を紹介した。

 再び、総括として井上氏が講演。氏は、不正咬合の原因を、tongue-tieや遺伝、アレルギーなどの「根本原因」、好ましくない呼吸や嚥下などの「代償性(compensation)原因」、不正歯列や睡眠時無呼吸などの「結果的原因」の3つに分類して明確に示した。これらすべてに対するアプローチが大切であり、とくに成長に“まったなし”の小児では早期にかかわるべきと強く訴えた。

 その後に行われた安部秀弘氏(栃木県開業)による特別講演では、氏と本学会のこれまでのかかわりなどを紹介し、学会としてスタートしたことに大きなエールを送った。

 講演終了後には懇親会も開かれ、同じ志をもつ者同士が語り合うことができる貴重な機会となり、盛会となった。

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