2023年6月17日掲載

「顎咬合学を語ろう! 専門医時代に向けて身につけるべき知識と技術」をテーマに

第41回日本顎咬合学会学術大会・総会開催

第41回日本顎咬合学会学術大会・総会開催
 さる6月17日(土)、18日(日)の両日、東京国際フォーラム(東京都)において、第41回日本顎咬合学会学術大会・総会(黒岩昭弘大会長、理事長)が、「顎咬合学を語ろう!専門医時代に向けて身につけるべき知識と技術」をメインテーマに開催され、3,500名以上が参加した。

 4年ぶりの現地開催となった今回は、まず開会式で黒岩氏(松本歯科大)が開会の辞を述べ、本学術大会へかける想いを語った。つづいて、本学会に多大なる貢献を果たした会員に贈られる保母賞の授賞式が行われ、本学会前理事長である上田秀朗氏(福岡県開業)が受賞した。

 その後、2日間にわたり多数のプログラムが開催。顎咬合学、義歯、インプラント治療などのほか、歯周治療、歯内療法、高齢者歯科、経営など本学会らしくバラエティに富んだセッションが展開した。

 1日目午前には、Edward P. Allen氏(Center for Advanced Dental Education)が「Current status of soft tissue grafting techniques」と題して特別講演を行った。Allen氏は、まず軟組織移植術の歴史的変遷をたどりながら、それぞれの手技について自身の行ってきた臨床例を供覧、説明した。それをふまえたうえで、トンネリング法とそれ以前の手技とを比較分析しながら、その利点について解説した。

 2日目の高齢者歯科についての講演では、鈴木宏樹氏(福岡県勤務)が「『噛める』=『食べられる』ではない!?」と題し登壇した。鈴木氏は「噛める」=「食べられる」ではないことを強調。高齢期の患者の「食べられる」を達成するためには、咬合の回復だけでなく、舌や口唇の動きなどの口腔機能も考慮した義歯治療が必要だと述べた。

 そのほかにも、テーマに掲げられている「専門医時代に身につけるべき知識と技術」に基づいた、現在話題になっている器材、治療法に焦点を当てたプログラムが多数見られ、熱気に包まれたまま幕を閉じた。

 次回の第42回学術大会・総会は、きたる2024年6月8日(土)、9日(日)の両日、東京国際フォーラムにて、貞光謙一郎大会長のもと、「踏襲から発展 ―学術と臨床の融合―」をテーマに開催予定。なお、本学術大会は一部プログラムを除き、きたる7月28日(金)から8月20日(日)までオンデマンド配信が予定されている。

関連する特集