2024年2月25日掲載
山口文誉氏が「低侵襲歯周組織再生療法」をテーマに講演
第32回奥羽大学歯学部同窓会卒後研修セミナー開催

本講演会は、3つのパートに分けられ、Part 1「一症例を通じて術前から術後までを詳しく解説」、Part 2「マイクロサージェリーにより変化してきたフラップデザイン」、Part 3「『さまざまな問題をあわせ持つ骨欠損』に対するストラテジー」という演題にて行われた。
Part 1では、演題にもある通り1症例を通じて歯周組織再生療法の手順について解説。(1)「MINST(Minimally-invasive non-surgical technique)」を用いた歯周基本治療、(2)再評価、(3)再生療法、(4)術後管理についてそれぞれ詳述した。そのなかでも、歯間乳頭の初期閉鎖の重要性について強調していた。
Part 2では、フラップデザインの歴史的変遷にふれた後、「MIST(Minimally Invasive Surgical Technique)」や「M-MIST(Modified Minimally Invasive Surgical Technique)」を用いた症例を供覧した。また、フラップデザインの3原則として(1)血餅の安定、(2)スペースの確保、(3)創傷の保護の3点を挙げ、「MIST」は(1)と(3)を、「M-MIST」はすべて満たすと解説した。
Part 3では、骨欠損の種類とあわせて歯肉退縮も引き起こしている症例について解説。「MIST」を応用し治療を行った症例などについて説明した。また、ブラックトライアングルの発生原因や、乳頭再建の方法についてもふれ、いずれの症例でも重要になるのは血液供給であるとした。
その後、質疑応答では「MINST」やデブライドメントに関する質問から、治療計画立案時の注意点まで、さまざまな質問が飛び交い、山口氏はそれぞれに対してていねいに回答していた。
最後に、本同窓会学術部長である千葉豊和氏(北海道開業)より、山口氏へ感謝状が授与され、盛会裏に幕を閉じた。