学会|2024年7月9日掲載

「補綴の未来、歯科の未来。“不易流行(変わらないもの、変えていくもの)”」をテーマに

(公社)日本補綴歯科学会、第133回学術大会を開催

(公社)日本補綴歯科学会、第133回学術大会を開催

 さる7月5日(金)から7日(日)の3日間、公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会(河相安彦大会長、窪木拓男理事長)が「補綴の未来、歯科の未来。“不易流行(変わらないもの、変えていくもの)”」をテーマに掲げ、幕張メッセ国際会議場(千葉県)にて開催された。現地での開催に加えてWeb配信(一部ライブ配信および後日オンデマンド配信)も行われ、現地・Web配信ともに多数の参加者を得て、盛会となった。また、The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodonticsが共催され、アジア各国から多数の参加者が集った。

 2日目に行われたメインシンポジウム「日本栄養治療学会合同シンポジウム 補綴歯科治療と栄養治療の新たな連携戦略」では、古屋純一氏(昭和大)と石井良昌氏(座間総合病院)が座長を務め、窪木氏、鍋谷圭宏氏(日本栄養治療学会/千葉県がんセンター)、石井氏、古屋氏が登壇した。とくに鍋谷氏は、高齢者の栄養管理における「口から食べること」の重要性を食道・胃がんを専門とする医師の立場から強調し、食べる機能の回復・維持における歯科との連携に期待を寄せた。なお、シンポジウムに先立っては、日本補綴歯科学会と日本栄養治療学会の連携協定の調印式が行われた。

 また、イブニングセッション4「ここを伝えて欲しい! 部分床義歯製作における歯科技工士への情報共有の勘所」では、和田淳一郎氏(医歯大)がコーディネーターおよび演者を務め、荻野洋一郎氏(九州大)、田村 聡氏(医歯大病院歯科技工部)が登壇。適切な部分床義歯を製作するうえで歯科医師と歯科技工士の間でどのような情報を共有したいか、それぞれの立場から症例を交えながら述べた。

 3日目に行われたシンポジウム5「咀嚼・咬合によるメカノバイオロジー:咀嚼・咬合力は体にどんな変化をもたらすか?」では、江草 宏氏(東北大)と二川浩樹氏(広島大)が座長を務め、黒嶋伸一郎氏(北大/長崎大)、大島正充氏(徳島大)、澤田泰宏氏(国立障害者リハビリテーションセンター)が登壇し、メカニカルストレスが歯周組織および全身にもたらす変化、およびメカニカルストレスの再生医療への応用について最新の知見を示した。

 ほかにも、ハンズオンセミナーや臨床コンペティション(歯科医師・歯科技工士のコラボレーションによる症例報告コンペティション)、臨床スキルアップセミナー、一般口演、ポスター発表など、多数のプログラムが組まれた。

関連する特集