学会|2024年9月17日掲載

「健全な咀嚼を育む」をテーマに

(特非)日本咀嚼学会第35回学術大会開催

(特非)日本咀嚼学会第35回学術大会開催

 さる9月14日(土)、15日(日)の両日、和洋女子大学(千葉県)において、特定非営利活動法人日本咀嚼学会第35回学術大会(柳沢幸江大会長、増田裕次理事長)が「健全な咀嚼を育む」をテーマに開催され、約280名が参集し盛会となった。

 本大会では、特別講演会、シンポジウム、ランチョンセミナー、一般口演、ポスター発表、市民公開講座など多数のプログラムが行われた。

 2日目のシンポジウム「小児の健全な食事と咀嚼」では、井上美津子氏(昭和大)、小城明子氏(東京医療保健大)の座長のもと、3名の演者が登壇した。演題、演者を以下に示す。

「未来につなぐ健口投資―生まれる前からの齲蝕予防戦略―」仲井雪絵氏(静岡県立大短期大学部教授)

「乳幼児の発達を踏まえた食事」堤 ちはる氏(相模女子大特任教授)

「小児の健全な咀嚼と咬合育成」葛西一貴氏(日大松戸歯学部特任教授)

 なかでも、仲井氏は、MS菌(ミュータンスレンサ球菌)の母子伝播予防のために周産期から口腔健康管理を実施する「プライマリー・プライマリー・プリベンション(Primary Primary Prevention; PPP)」を小児う蝕の最先端予防戦術として紹介。これまでの定期健診などの生活習慣病対策ではその効果が限定的であることから、PPPの対象者を母親だけではなく、その家族、そして地域まで広げ、感染症対策として現在増加している大人のう蝕予防を行うことで、小児う蝕の減少につながるとした。その後のディスカッションでは演者3名が再度登壇し、会場からは多くの質問が寄せられるなど盛会裏に終了した。

 また、市民公開講座では、岡崎好秀氏(国立モンゴル医学科学大客員教授)による「~こどものくちはふしぎがいっぱい~なぜ口腔機能発達不全症が増えるのか?」が行われ、わかりやすく子どもの口腔機能の説明がなされた。

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