社会|2025年12月1日掲載
「歯科臨床はチーム医療 ―歯科衛生士が輝くクリニック作り―」をテーマに
日本臨床歯周療法集談会(JCPG)、第42回学術大会を開催
さる11月30日(日)、富士ソフトアキバプラザアキバホール(東京都)において、日本臨床歯周療法集談会(JCPG)第42回学術大会(大藤竜樹実行委員長、小林和一会長)が「歯科臨床はチーム医療 ―歯科衛生士が輝くクリニック作り―」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士らが多数集まり盛会となった。
JCPGは1984年の発足以来、歯周基本治療、三位一体のチーム医療を軸に歩み続けてきた会であり、第42回を迎えた今回の学術大会では、「歯科衛生士」に焦点を当てた講演がなされた。
午前の部では、関根 聡氏(埼玉県開業)と伊藤果音氏(歯科衛生士、関根歯科医院)が、「歯科医療におけるチームアプローチの実践 ―歯科衛生士が活躍する医院づくり―」をテーマに発表した。関根歯科医院では、単なる「治療」ではなく「予防管理」を診療の基盤に据え、全スタッフが高いパフォーマンスを発揮する組織的な環境を構築している。具体的には、歯科医師と歯科衛生士による新患カンファレンスを必須とし、患者のすべての情報を共有することで、治療計画の立案と質を標準化し、患者の生涯を通じた口腔健康サポートを実現している。
歯科衛生士の伊藤氏は、長期的な治療成功には患者の来院継続が不可欠だと述べ、褒める指導や歯科医師との密な連携によってセルフケア・行動変容を促す具体的な方法を紹介した。また、こうしたチーム連携が治療成果に直結し、患者のモチベーション維持に寄与していると強調した。
最後に関根氏は、「病態が進行してから人工物で代替するのではなく、自分の歯だけで生涯困らない状態を目指すことこそ、患者のライフステージを支える歯科医療の真髄である」と述べ、チーム医療と予防管理の重要性をあらためて示した。
午後の部では、「モチベーションアップ! 輝ける歯科衛生士から学ぶ臨床力向上の道しるべ」をテーマに、4医院の歯科衛生士が登壇。演者全員が歯科衛生士という本会ではこれまでにないプログラムとなった。以下に演題と演者を示す。
「私たち20代の歯科衛生士が、キャリアアップをしていくために、取り組んできたこと、求められていること」木村玲奈氏、長谷美智氏(ともに諸隈歯科医院)
「歯科衛生士として歯周基本治療の中で診るべきポイント」井上恵世氏(ながさか歯科クリニック)
「安心して任せられる歯科衛生士になるために ―22年間JCPGで学んだこと、積み重ねたこと」中村涼子氏(かめだ歯科医院)
「歯科界の過去、現在、未来 ―わたしJCPGの歯科衛生士でよかった―」安生朝子氏(藤橋歯科医院)
最後に、実行委員長の大藤氏(神奈川県開業)が閉会の辞を述べ、会は盛況のうちに幕を閉じた。