学会|2026年2月27日掲載
「社会と共生する矯正歯科治療 “Orthodontic treatment and public understanding”」をテーマに
第53回日本臨床矯正歯科医会大会 東北大会開催
さる2月25日(水)、26日(木)の両日、ホテルメトロポリタン仙台(宮城県)において、第53回日本臨床矯正歯科医会 東北大会(五十嵐一吉大会長、土屋朋未会長)が開催され、約280名が参集した。
大会テーマを「社会と共生する矯正歯科治療“Orthodontic treatment and public understanding”」とした本会では、矯正歯科医の間で「形態と機能の改善」と位置づけられる矯正歯科治療について、形態の改善にとどまらず、咀嚼嚥下・呼吸・筋機能・顎関節など口腔顎顔面機能の最適化を含む医療であることを社会に広く認知してもらい、信頼される医療としての価値を再確認し発信することを目的とした。
特別講演では小野卓史氏(東京科学大学)が、「矯正歯科治療で機能が向上するとはどういうことか?~末梢である咬合の改善を脳が咬みやすいと認識するまで〜」と題し、咬合改善後の歯列による咀嚼が脳に「咬みやすい」と認識される過程を顎運動解析、筋電図等やfMRI等による機能評価の視点から論じた。そして術者が思う「完璧な治療および結果」と患者が「治療による機能改善を快感として受け取ること」のギャップを埋める必要性およびその可能性について詳解した。
また「日矯100周年記念講演」では西井 康氏(東京歯科大学)が「100周年記念 第85回日本矯正歯科学会学術大会について」と題し、同学会の歩みと大会概要を紹介した。そのほか、招待講演では韓国臨床矯正歯科医会よりキム・グムリョン氏(韓国開業、ABO・米国歯科矯正専門医会ボードメンバー)が「The twist effect of lingual fixed retainers」、台湾臨床矯正歯科医会よりジエ・ユエン・チェン氏(台湾開業)が「Daily-used mechanism in protrusion cases」と題して講演し、本学会のアジア地域との学術的連携と知見の共有が図られた。
臨床セミナーでは「社会的価値と患者目線から矯正歯科を紐解く」(赤司征大氏、WHITE CROSS株式会社代表)、「下顎前突に対する対応と専門医取得の意義」(居波 徹氏、京都府開業)の2題が行われ、社会情勢や統計データから読み解く矯正歯科の社会的イメージと現状、将来的展望、たとえば複雑な問題をともなう患者の矯正歯科治療において専門医取得がもたらす臨床的意義について論じられた。さらにスタッフプログラムや会員から選出されたアンコール賞受賞者による講演なども行われた本会は、盛会のうちに閉幕した。
次回は、きたる2027年2月10日(水)、11日(木)の両日、タワーホール船堀(東京都)において、「健口が導く健康寿命の延伸―咬合崩壊を食い止める矯正歯科医の役割―」をテーマにて開催予定である。