学会|2025年12月3日掲載
「光による歯科イノベーションの追求」をテーマに
第37回日本レーザー歯学会総会・学術大会が開催
さる11月29日(土)、30日(日)の両日、東京科学大学湯島キャンパス鈴木章夫記念講堂(東京都)において、第37回日本レーザー歯学会総会・学術大会(島田康史大会長、横瀬敏志理事長)が、「光による歯科イノベーションの追求」をテーマに開催された。歯科医師、歯科衛生士ら約300名が参加し盛会となった。
理事長講演「レーザー治療の臨床応用におけるエビデンスを再考する(Osteoimmunologyとエピジェネティクスに対するPhotobiomodulationについて)」では、横瀬氏(明海大顎歯学部機能保存回復学講座保存治療学分野)が臨床でなぜレーザーを使用するのか?レーザーを使用して治療を行った場合周囲の組織にはどのような細胞生物学的な作用がみられるのか?という点に着目して、骨組織と歯髄組織に対するPhotobiomodulation について述べた。
続いて、シンポジウム「歯科・口腔外科領域における光診断のイノベーション」では、岩井俊憲氏(横浜市立大学附属病院歯科・口腔外科・矯正歯科)が「口腔癌に対する蛍光ナビゲーション手術」、泉福英信氏(日本大学松戸歯学部感染免疫学講座)が「歯科領域における光を利用した病原性の評価と予防」、御任大輔氏(帝京大学医学部附属病院外傷センター)が「自家蛍光と機械学習を用いた迅速な細菌検査手法の開発」と題し、それぞれが各専門分野の立場から意見を述べた。
特別講演1では、角 保徳氏(国立長寿医療研究センター 歯科口腔先進医療開発センター 前センター長)が「“光による歯科イノベーションの追求”―歯科イノベーション(創造的研究)の重要性とその方法―」、特別講演2では、沖野晃俊氏(東京科学大学総合研究院未来産業技術研究所)が「大気圧低温プラズマ装置の開発と歯科分野への応用可能性」と題し、講演を行った。
そのほかには、倫理講習会、認定講習会、安全講習会、日本歯科医学会会長講演(小林隆太郎氏)なども行われた。
なお、次回第38回日本レーザー歯学会総会・学術大会は、きたる2026年10月24日(土)、25日(日)の両日、郡山市中央公民館・郡山市公会堂(福島県)において、山田嘉重大会長(奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯科修復学分野)のもと開催予定である。