社会|2025年12月9日掲載
「LONGEVITYを支えるこだわりと探求心」をテーマに
第32回JIADS総会・学術大会が開催
さる12月6日(土)、7日(日)の両日、千里ライフサイエンスセンター(大阪府)において、第32回JIADS総会・学術大会(佐々木 猛理事長)が「LONGEVITYを支えるこだわりと探求心」をテーマに開催された。
初日午前には会員発表が行われ、歯科医師、歯科衛生士ら8名が登壇した。午後からは、「こだわりの臨床(1)」セッションにて、根本康子氏(東京都開業)が「インプラントにおけるサイトディベロップメントへのこだわり~長期的安定を見据えた治療戦略~」、瀧野裕行氏(京都府開業)が「様々なトラブルに対するこだわりのリカバリー」と題し、講演を行った。特に根本氏は、サイトディベロップメントでは、(1)天然歯と骨レベルを揃える、(2)頬側に2mm以上の骨幅を確保する、(3)頬側に十分な角化歯肉の厚みを確保する、の3点が重要になると述べた。
次に、「補綴サブノート出版記念講演」セッションでは、水野秀治氏(大阪府開業)、寺尾 豊氏(新潟県開業)、伊藤貴彦氏(東京都開業)、小谷洋平氏(京都府開業)、中野 浩氏(大阪府勤務)が登壇。それぞれが、自身の“補綴治療におけるこだわり”について解説した。
2日目午前には、「こだわりの臨床(2)~成功率を高めるエッセンス~」セッションにて、栗原 仁氏(埼玉県開業)が「歯性上顎洞炎とサイナスリフトの関係」、奈良嘉峰氏(神奈川県開業)が「予知性の高い歯周組織再生療法を目指して」、鳥潟隆睦氏(大阪府開業)が「“Primary Closure First”~インプラント周囲炎に対する再生療法を成功に導く静かな戦略~」、富塚佳史氏(兵庫県開業)が「顕微鏡下で見えてきた拡大治療の本質―Periodontal MicrosurgeryとLongevity―」、成 仁鶴氏(千葉県開業)が「JIADSコースで学んだプロビジョナルレストレーションが導く矯正治療の可能性 ~教わったことを実践することで、新たな気づきと可能性への扉を開く~」と題して講演。なかでも奈良氏は、歯周組織再生療法に用いる新しいテクニックとして、氏が考案した「Flexible Tunnel Technique(FTT)」を紹介。斬新な術式と高い治療技術に、会場からは感嘆の声が漏れ聞こえた。
午後に行われた「長期症例に学ぶ~Longevity達成のための条件~」セッションでは、奥田裕司氏(大阪府開業)が「Socket Preservationがある時・ない時~必要なケース、必要ないケース、長期予後は?~」、吉川宏一氏(京都府開業)が「Longevity達成のための必須条件~45年の臨床経験から伝えたい事~」、畠山善行氏(大阪府開業)が「私の歯科治療を振り返って~長期症例からLongevityについて考える~」と題して登壇。特に畠山氏は、約30年の長期経過症例を多数供覧し、患者と長くかかわって初めて見えてくることなど、示唆に富んだ考察を行った。
本大会の最後には、実行委員長を務めた水野氏が閉会の辞を述べ、盛会裏に閉幕した。なお、第33回JIADS総会・学術大会は、きたる2026年12月5日(土)、6日(日)の両日、ベルサール飯田橋ファースト(東京都)において開催予定である。