学会|2026年2月16日掲載
DXに関するさまざまな講演が展開され1,800名超が参集
(公社)日本口腔インプラント学会、第45回関東・甲信越支部大会を開催
さる2月14日(土)、15日(日)の両日、TAKANAWA GATEWAY Convention Center(東京都)において、公益社団法人日本口腔インプラント学会第45回関東・甲信越支部学術大会(月岡庸之大会長、簗瀬武史支部長、細川隆司理事長)が開催された。「口腔インプラントが支えるトータルヘルスケアの近未来~DX・AI・マテリアル・メソッドで加速する未来~」をテーマとして、1,800名超の参加者を集めた。
2日間にわたりシンポジウムや特別講演などが行われ、各分野のスペシャリストである歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士が講演した。なかでも特に盛り上がりを見せたシンポジウムについて以下に示す。
シンポジウムⅤ「デジタルデータを活用したソフトティッシュマネジメント」では、金子貴広氏(埼玉医科大学総合医療センター 歯科口腔外科)と瀬戸宗嗣氏(日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第2講座)を座長として、小田師巳氏(大阪府開業)が「上皮下結合組織の安全で確実な採取方法」、岩野義弘氏(東京都開業)が「条件に応じた軟組織マネジメントの術式選択と臨床上の工夫」、青井良太氏(東京都開業)が「長期症例から考察するデジタルデータを活用したソフトティッシュマネジメント」を演題に登壇。なかでも小田氏は、結合組織採取方法は口腔内で上皮を除去してから結合組織のみを採取する口腔内法と、口腔外で移植片から上皮を除去する口腔外法に大別されるが、口腔内法と口腔外法で採取される固有層の厚さに差がないため技術的に容易な口腔内法が推奨されるとし、現在は、必要な結合組織を確実に採取でき、除去した上皮を口蓋に戻すことで患者の痛みを軽減できるFour-incision techniqueを選択していると話した。
シンポジウムⅥ「上顎洞へのアプローチと偶発症」では、横井秀格氏(杏林大学医学部付属杉並病院)と栗田 浩氏(信州大学医学部歯科口腔外科)を座長に、山口菊江氏(昭和医科大学歯学部インプラント歯科学講座)が「偶発症から考える上顎洞アプローチの適応判断および術式選択―内視鏡画像とともに共有する―」、河奈裕正氏(神奈川歯科大学)が「上顎洞アプローチのパラダイムシフト―DX・AI時代における手術併発症回避戦略―」、安齋 崇氏(順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学講座)が「偶発症に備えた耳鼻科・歯科の共通病態理解と治療方針の構築」を演題として登壇。特に安齋氏は、歯性上顎洞炎の特徴について述べた後、その予防のために術前CTで副鼻腔の状態を評価することや、抗菌薬の予防投与の検討を推奨した。
そしてシンポジウムⅦ「前歯部治療のDX化」では、小倉 晋氏(日本歯科大学付属病院)、田中譲治氏(千葉県開業)を座長として、中野 環氏(大阪大学歯学部附属病院)、川﨑雄一氏(神奈川県開業)、髙橋 由氏(東京都開業)が登壇し、審美インプラント補綴におけるデジタル技術の活用などについて論じた。中野氏は、口腔内写真や顔貌写真を用いた2DのシミュレーションとCBCTや口腔内スキャナを含めた3Dのシミュレーションを併用することで、より詳細な治療計画の立案が可能であるとし、術前からの資料の継続的な採得によって経時変化を観察・評価することができるとした。
そのほか、本会では専門医/専門歯科衛生士/専門歯科技工士の教育講座、口演発表、ランチョンセミナーなど多岐にわたるプログラムが展開され、終日盛況となった。なお、次回の第46回大会は、きたる2026年9月18日(金)から20日(日)、東京国際フォーラム(東京都)において行われる第56回日本口腔インプラント学会学術大会と併催予定である。