企業|2026年7月21日掲載
礪波健一氏が、「医療面接の勘所」をテーマに講演
第757回東京松風歯科クラブ月例会が開催
さる7月15日(水)、株式会社松風東京支社(東京都)において、第757回東京松風歯科クラブ月例会が、講師に礪波健一氏(明海大学保健医療学部口腔保健学科教授)を招聘し、開催された。講演では、「医療面接の勘所―動機付けからモンスター対応まで―」をテーマに、医療における「信頼」の位置づけから、動機づけ面接、困難患者への対応、AI時代における医療者の役割まで、患者との関係構築を軸に、具体的な事例や会話例を交えながら、日常診療に生かせる医療面接の考え方や対応のポイントが解説された。
講演の冒頭で礪波氏は、「医療とは何を約束する仕事なのか?」との問いに対し、医療は「結果」を約束する仕事ではなく、専門職として「最善」を尽くすことを約束する仕事であると説明。不確実性を前提とする医療では、患者が医療者にみずからを委ねるための「信頼」が不可欠であり、信頼は安心感や円滑な診療の基盤となるとの考えを示した。
続いて、患者は医療者から与えられた情報そのものではなく、自身の解釈を通じて理解・行動することから、説明だけで行動変容につながるとは限らないと指摘。患者の認知資源や心理状態にも配慮しながら、背景や価値観を理解することの重要性を述べた。そのうえで、オープンクエスチョンや傾聴、共感、要約といった医療面接の基本技法を紹介し、「安心して語れる場」をつくることが医療面接では重要であり、患者との関係構築につながるとした。
また、動機づけ面接では、医療者が患者を説得するのではなく、患者自身の言葉から変化への意欲を引き出すことが行動変容につながると説明。さらに、いわゆる困難患者への対応では、患者を類型化するのではなく、不安や怒りが生じた背景や状況を理解し、感情への対応と見通しや選択肢の提示などをとおして、問題を一緒に扱える状況へともっていくことが肝要とした。
最後にAI時代の医療面接についてふれ、AIは情報の整理や説明支援などで活用できる一方、診断や緊急性の判断、結果への責任は医療者が担うべき役割であると説明した。
講演後には質疑応答が行われ、日常診療での患者対応に関する悩みや疑問など、会場から活発な質問が寄せられた。