2023年11月号掲載
私のはじめての1本[Scene10] 自身のインプラント治療の履歴と海外との交流を振り返って

“私のはじめての1本”ならぬ“私のはじめての1例”
本連載のテーマに従えば、本稿では私が最初に埋入したインプラントにまつわる話を書くべきであるが、実ははじめての1本の記憶はまったくない。
私は1971年東京歯科大学卒業後、東京医科歯科大学第1口腔外科で3年間研修し、その後、瀬戸晥一先生に連れられて鶴見大学口腔外科学第1講座に転職した。インプラント手術を始めたのは1986年で、医局の先輩の野村隆祥先生のクリニックで教えてもらいながらインプラント手術を始めた。しかし手術だけを担当し患者の経過は診てい...