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2012年9月15日

「国際医療パースペクティブ」第3回例会を開催

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 さる9月15日(土)、Luz大森4階入新井集会室(東京都)において、「国際医療パースペクティブ」第3回例会(公益財団法人国際口腔医療財団主催、瀬戸★(かん)一理事長/大森・東京歯科口腔外科共催)が開催された。今回は、瀬戸氏が国際医療推進部長として赴任している財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(福島県郡山市)の2氏による口腔の健康に関連の深い全身症状に関するテーマの講演が行われた。

 まず、菅野恵氏(総合南東北病院心臓血管センター長)が「たばこと2型糖尿病」と題し登壇。国内外の調査・研究データ等を交え、喫煙者や受動喫煙者の2型糖尿病の発症率の高さを紹介し、「たばこは2型糖尿病を引き起こす重大な要因」と強調した。口腔との関連では喫煙が歯周病を悪化させる要因であり、歯の喪失を加速させ、さらに歯周病と糖尿病は相互に悪化を促進させることからも、たばこの危険性を述べた。現在、たばこは日本の文化に深く根ざしており、さらに学会や医学教育、マスコミでもその危険度を適切にアピールしていないなどの課題を指摘し、たばこの及ぼす悪影響について発信することの重要性を訴えた。

 続いて、金子史男氏(総合南東北病院皮膚免疫・アレルギー疾患研究所長)が「口腔アレルギーと全身症状」と題して講演。このなかで、とくに自身が厚生労働省の研究班長をつとめた難病「ベーチェット病」について詳述。ベーチェット病は口腔内アフタがその兆候として最初に現れる病気で、全身の皮膚症状、外陰部潰瘍、さらには失明、大動脈炎など重篤な症状につながると説明。この発症に口腔内細菌の状態がかかわっているのではとの関連性も解説し、まず口の中に兆候が発現することから、その発見者として歯科の果たす役割は大きいとの期待を寄せた。

 最後に、瀬戸氏より、9月17日(月)に当財団と公益社団法人日本顎顔面インプラント学会による共同で「国際インプラント手帳」の公式サイト(http://www.mfimp.com/)が開設されることを紹介。この手帳は、精度の高い機能回復医療である歯科インプラント治療ではあるが、稀に術後にしびれや腫脹などのトラブルを生じることがあり、埋入したインプラントの詳細な情報を手帳に記録しておくことで、万が一こうした事態が生じてもスムーズに対処できるようにしようとするもの。患者自身がダウンロードできることも特徴で、今後広く普及、活用させていきたいとの意欲を語った。
[★は日に完]