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2012年10月20日

口腔ケアネットワーク・地域連携シンポジウム開催

「口を通して見えてくる医療と福祉の近未来―地域の中のつながり―」をテーマに

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 さる10月20日(土)、三島市民文化会館ゆうゆうホール(静岡県)において、口腔ケアネットワーク・地域連携シンポジウム(米山武義会長)が「口を通して見えてくる医療と福祉の近未来―地域の中のつながり―」をテーマに開催され、約320名が参集した。本会は2005年に設立され、三島市を中心とした地域における保健、医療、福祉の専門職が集い、口腔ケアをつうじた多職種連携について情報発信をしている。

 まず、基調講演1では糟谷政治氏(糟谷歯科医院根上がり松診療所)を招聘。「口から食べるための支援―私の第2の診療室・往診―」の演題で講演した。氏は、診療室ではもちろん、訪問歯科診療においても患者の口に合う義歯をその場で製作し、義歯が入った状態で患者が物を食べられるかという確認を徹底している。「安全に食べ物を嚥下するためには、まず咀嚼がきちんと行われなければならない」と述べ、リハビリの装具としての義歯が口腔ケアとともに重要であるとした。

 つぎに、基調講演2「在宅歯科診療における地域医療・介護連携―生涯を通しての、かかりつけ歯科医でいるために―」と題して花形哲夫氏(山梨県歯科医師会専務理事)が講演した。自らが取り組む訪問歯科診療や、多職種とのかかわりの実際を紹介した。

 パネルディスカッション「口で決まる生き方の選択」では、パネラーとしてリハビリテーション科の医師、ケアマネジャー、看護師、管理栄養士、社会福祉士などと、さまざまな専門職が壇上に並び、歯科からは杉山総子氏(米山歯科クリニック・歯科衛生士)が登壇した。患者や家族の強い希望によって胃瘻から経口摂取能力を回復した事例をもとに、地域における多職種協働のあり方について異なる職種の立場から議論が交わされた。