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2013年4月20日

第4回日本歯科CAD/CAM学会学術大会盛況に開催

 さる4月20日(土)、21日(日)の両日、昭和大学旗の台校舎4号館(東京都)において「第4回日本歯科CAD/CAM学会学術大会」(日本歯科CAD/CAM学会主催、宮崎 隆大会長、末瀬一彦会長)が400名あまりの参集のもと開催された。

 初日の会場ではまず、宮崎氏が「デジタルデンティストリーを見据えた歯学教育の展望」と題して大会長講演を行い、続いて小室歳信氏(日大歯学部法医学教室教授)が「法医学から見たデジタル情報の今と未来」と題して特別講演を行った。その後シンポジウム1「デジタルデンティストリーがもたらす有床義歯補綴歯科治療の未来」として水口俊介氏(医歯大全部床義歯補綴学分野教授)、馬場一美氏(昭和大歯科補綴学講座教授)、中野田紳一氏(インサイドフィールド)の3氏がそれぞれ登壇。総義歯の従来の製作工程をCAD/CAM化するために残された課題と、現状での最新の機材・材料・テクニックが示された。中でも馬場氏は、セリア強化型ジルコニアセラミック(ナノジルコニア、パナソニックヘルスケア)をフレームワークとして用いた部分床義歯の設計と製作、およびその臨床応用について示した。また、その後のディスカッションも活発に行われた。

 また2日目には、モーニング・セッションと題してまずMorten Ryde Hansen氏(歯科技工士、International trainer for TRIOS)が「口腔内スキャナーの現状と未来」と題して登壇。氏がトレーナーを務める「TRIOS」とはデンマーク・3shape社の口腔内スキャナーの製品名であり、本講演ではその最新の性能がデモンストレーションとともに示された。

 その後、午前中の会場では技工セッション「デジタルテクニシャンの未来」と題して植田邦義氏(東ソー)と古川 健氏(豊通マシナリー)および松浦賢治氏(ケン・デンタリックス)が、そしてシンポジウム2「デジタルデンティストリーがもたらす歯科医療の未来」と題して木津康博氏(神奈川県開業)と誉田栄一氏(徳島大大学院歯科放射線学分野教授)および槇 宏太郎氏(昭和大歯科矯正学講座教授)がそれぞれ登壇した。

 さらに2日目の午後の部ではランチョンセミナー2題を挟み、特別企画「口腔内スキャナーが変える歯科臨床(IDS2013 の最新情報から)」として末瀬氏、田中 豊氏(モリタ)、Morten Ryde Hansen氏(上記)、田中晋平氏(昭和大歯科補綴学講座)が、そしてシンポジウム3「デジタルデンティストリーがもたらす審美歯冠修復の未来」と題して風間龍之輔氏(医歯大部分床義歯補綴学分野)、伴 清治氏(愛院大歯科理工学講座)、および浅野正司氏(浅野デンタルアート)がそれぞれ登壇した。特別企画では進展著しい口腔内スキャナーの動向およびデモンストレーションが、シンポジウム3ではCAD/CAMを用いたセラミックス、中でもジルコニアの取り扱いに関する注意点について詳説された。中でも伴氏は、最近繁用されるようになってきたジルコニアフルカントゥア修復物に用いられる高透光性ジルコニアにつき、その光学的特性から低温劣化に関する問題点、および鏡面研磨を行うことによる耐久性向上と対合歯摩耗の低減などについて詳説し、好評となっていた。

 昨年の本学会ではジルコニアフルカントゥア修復物やCAD/CAMのオープンシステム化が今後の展望として語られていたが、今回はそのいずれもが定着し、共通言語として通用している点が印象的であった。また、口腔内光学スキャナーの多品種化も欧米においては進んでおり、「スキャン用のパウダー噴霧が不要」で「カラー画像によるスキャン」の2点がトレンドになりつつあることが感じられた。

 なお、本学会はCAD/CAMのみにとどまらず、広くデジタルデンティストリーを考究する学会として発展させるべく、学会名を「日本デジタルデンティストリー学会」と改称する方向性が初日の総会で了承された。来年度は主管校を大阪歯科大学とし、同学にて開催予定であるが、「その時期までには改称したい(末瀬会長)」とのことであった。