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2013年8月3日

第20回在宅医療・看護を考える会開催

竹内孝仁氏、認知症の新たな見解を示す

 さる8月3日(土)、ナレッジキャピタル・コングレスコンベンションセンター(大阪府)にて、第20回在宅医療・看護を考える会(在宅医療・看護を考える会主催:松尾美由起代表世話人、株式会社大塚製薬工場共催)が、「高齢者におけるPEGをめぐって」をテーマに開催された。

 松尾代表および舘村 卓氏(阪大大学院歯学研究科高次脳口腔機能学講座准教授、社団法人TOUCH代表理事)の座長のもと、まず、「感謝される胃ろうとは何か―在宅管理17年の経験から」と題して、小川滋彦氏(石川県開業、医師)による講演が行われた。小川氏は、在宅医療における胃ろうを「社会復帰のツール」と位置づけ、いわゆる「街医者」としての胃ろうをした患者へのかかわりを紹介した。氏がこれまでにかかわった患者の中には、胃ろうの誤った扱い方をしているために瘻孔部感染などのトラブルに発展しているケースもあり、装置の扱い方、生活上の注意点など、正しい知識を保持することがまず必要であるとした。また、患者や家族の不安に迅速に答え、なおかつ経口摂取やその人なりの社会復帰を支援していくことが重要であり、胃ろうの在宅管理はけっして簡単ではないが、患者や家族によりそいながらかかわることで、結果として「感謝される胃ろう」につながるとした。さらに経口摂取を支援していくには、多職種との連携は欠かせないともした。

 続いて竹内孝仁氏(国際医療福祉大大学院教授)による講演「認知症になってもこわくない」が行われた。竹内氏は以前より、胃ろうを常食へと戻すことが可能であると訴え、全国各地の特養などの施設で「常食化」を呼びかけている。段階的に常食にまで戻す手法もあるが、「咀嚼をして嚥下をする」という口腔機能のしくみを考えれば、ペースト食などは不要であり、すぐにも常食から開始する必要があるとした。また、口腔機能のしくみをもっとも理解しているのは歯科であり、常食化をより積極的に働きかけてほしいとした。さらに、嚥下造影検査(VF)も咀嚼のない嚥下の評価であるため、活用できないものと位置づけた。

 その後、竹内氏が昨今力を入れている認知症の研究について話は移行。氏によると、認知症の診断は十分な栄養摂取、水分摂取があり、適度な運動が行われ、排便がある、すなわち健康な状態でこそ評価できるものという。認知症と診断された方の多くは、健康ではない状態で評価されているため、健康になれば認知症状は消失するとの見解を示した。そのうえで、徘徊やせん妄などが消失した症例を多数紹介し、聴衆をひきつけた。