Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2014年7月20日

Global Standard Seminar in Fukuoka開催

「世界水準の歯科医療を実現するということ‐Think Globally, Act Locally‐」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月20日(日)、天神クリスタルビル(福岡県)にて、Global Standard Seminar in Fukuoka(PHIJ事務局主催、シロナデンタルシステムズ(株)協賛)が「世界水準の歯科医療を実現するということ‐Think Globally, Act Locally‐」をテーマに開催され、歯科医師・歯科衛生士ら約100名が参集し盛会となった。

 まず、築山雄次氏(福岡県開業)が登壇し、「真の歯科医療の価値とは。それを実現する次世代の主役達へ」と題して講演。従来から予防に力を注いできたつきやま歯科医院の取り組みや変遷などを紹介するとともに、日本で多くみられる歯の削合と充填の繰り返しによって最終的に抜歯に至る「Repeated Restoration Cycle」から、メディカルトリートメントモデル(以下、MTM)を基盤として歯を生涯守る「Repeat Prevention Cycle」へとシフトしていくことが重要と述べた。

 MTMでは、歯科衛生士が担当する口腔衛生部、GPが担当する総合診療部、専門医が担当する専門医療部の3段階で構成され、患者は必ず口腔衛生部から診療がスタートする。つぎに、歯科衛生士の小川 恵氏(つきやま歯科医院)が「世界水準の歯科医療における歯科衛生士の役割」と題して、MTMの概要と、口腔衛生部で行うデータセレクション、リスク評価、歯周初期治療、再評価、治療、そしてまた再評価の一連の流れを細かく紹介し、トータルリスクを評価しながら患者個々に合わせた予防プログラムの重要性を説いた。

 つづいて、総合診療部のGPの立場から嘉村康彦氏、乗富啓介氏(いずれもつきやま歯科医院)が「Evidence Based Dentistryの実践」の演題でそれぞれ講演。歯科におけるエビデンスの黎明期の話からエビデンスレベルの解説、そして日常臨床でどのようにエビデンスを活用していくかについて、実際の症例をPICOの定式にあてはめながら、その手順をわかりやすく紹介した。

 専門医の立場からは、まず米国補綴専門医である木戸淳太氏(米国・タフツ大歯学部補綴科留学中)が「治療計画立案を系統的に実践するためのベーシック」と題して講演。詳細な診査・診断から治療計画立案、それに基づいた治療の実際について解説した。米国歯周ボード認定医である築山鉄平氏(つきやま歯科医院専門医療センター)は、「専門医の本来の役割とは」と題して講演。これからは歯科医療からはじまるコペルニクス的発想が不可欠であるとしたうえで、医院で予防やメインテナンスが進むほどより質の高い専門医療が必要となり、つねにアウトカムの評価を行いながら、国民に真の歯科医療の価値を提供できるような世界標準の歯科医療を実践しようと述べた。
 
 最後に、総括として築山雄次氏が再度登壇。質疑応答では多くの質問が寄せられるなど、会場は終始熱気に包まれていた。