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2014年11月14日

(一社)日本障害者歯科学会第31回総会および学術大会開催

「3.11から~障害者歯科医療の未来に向けて~」をテーマに

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 さる11月14日(金)から16日(日)の3日間、仙台国際センター(宮城県)において、一般社団法人日本障害者歯科学会第31回総会および学術大会(細谷仁憲大会長、福田 理理事長)が「3.11から~障害者歯科医療の未来に向けて~」をテーマに開催され、多数の歯科医療従事者が参集した。

 会場では15日(土)の開会式を皮切りに、2日間にわたって特別講演2題、シンポジウム3題、教育講座4題、国際シンポジウム1題、県民公開講座1題、ランチョンセミナー2題、一般演題(口演発表、ポスター発表)など多数のプログラムが展開され、立ち見の会場が多数出るほど盛況となった。

 15日(土)の特別講演1「それぞれの自分らしい人生を支える歯科医療―死生学と臨床倫理の視点から―」では、清水哲郎氏(東大大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座特任教授)が登壇。氏は、死生学の歴史を紐解きながら、Austin H. Kutcher氏(コロンビア大歯学部教授)がターミナル期の患者に対する対応や口腔ケアの重要性を示した書籍について紹介した。また、人生の最終段階のケア(end-of-life care)における歯科医療従事者に求められる臨床倫理について、歯だけでなく人間全体を診ることの大切さを説いた。

 16日(日)のシンポジウム1「3.11・復興の中で考える障害者歯科医療の未来」では、小林 隆氏(北海道厚生局医療課指導医療官・前厚労省宮城県域現地対策復興本部歯科医療チームリーダー)、鈴木 徹氏(宮城県石巻歯科医師会副会長)、新田理恵氏(宮城県石巻重症心身障害児・者を守る会副会長)、松川久美氏(宮城県石巻支援学校スクールボランティア代表)、河瀬聡一朗氏(宮城県石巻市雄勝歯科診療所所長)、相田 潤氏(東北大大学院歯学研究科国際歯科保健学分野准教授)が順次登壇。それぞれの立場から、東日本大震災の経験を交えながら大会テーマとして取り上げられた現在の障害者歯科医療の現状と今後の展開について意見が出された。

 地域医療連携の重要性が叫ばれて久しいものの、実際の現場では医科、歯科、福祉の連携の難しさが課題として挙げられた講演が散見され、課題解決のための「顔の見える」関係づくりが急務であることがうかがえた。

 なお、次回は2015年11月6日(金)から8日(日)の3日間、福田 理大会長(愛院大歯学部小児歯科学講座教授)のもと、名古屋国際会議場(愛知県)において開催予定とのこと。