2015年8月8日掲載
近代インプラントの父P.-I.ブローネマルク教授を偲んで
<font color='green'><b>Forum on Implant Treatment in Tokyo開催</b></font>

はじめに勝山英明氏(神奈川県開業)が、ブローネマルク氏によるオッセオインテグレーションの発見を含む医歯学のパラダイムシフトとテクノロジーの発展を振り返りながら、包括的治療における現在のコンセンサスと、医療に対する真摯な姿勢の重要性を示した。
Daniel Buser氏(ベルン大)は単独歯欠損補綴について、コスト効果も考慮したインプラントセラピー成功のための外科(切開のデザイン、埋入タイミング、ポジショニング、カントゥアオーグメンテーション、移植材料等)、荷重プロトコール、術者自身に関する要件について解説した。午後の講演においては、早期荷重について、上顎洞底挙上術の術式と移植材料の選択基準、CAD/CAMによるデジタルワークフローとともにISQ(インプラント安定指数)を都度示しながら解説された。
佐藤孝弘氏(新潟県開業)からは、「MI時代の失敗しないGBR」と題して、患者さんを医療チームの一員として考える「コンコーダンス・モデル」が紹介され、高いエビデンスレベルの観点から骨誘導再生法について解説が行われた。
小宮山彌太郎氏(東京都開業)は講演の中で、オッセオインテグレーションの獲得と持続におけるソフトウェアとハードウェアの要件に言及し、ソフトウェアの最重要因子がMIであると述べた。また目先の利点を得ることを重要視しすぎないことと、衛生観念の重要性も強調された。
座談会においては、Buser氏と小宮山氏よりブローネマルク氏のエピソードが語られ、その遺志を引き継ぎ後世に伝えていくことの大切さが確認された。