2015年9月16日掲載
オープンデンタルCAD/CAMセミナー2015開催
1)「歯科用CAD/CAMシステム最新動向と技工教育の将来について」(末瀬一彦氏、大歯大歯科審美学室)
本演題では、歯科におけるCAD/CAM化は精密鋳造の導入以来の大変革であるとした上で、その患者・歯科医師・歯科技工士へのメリットをそれぞれ概説。また、歯科用CAD/CAMの構成要素であるスキャナー、CADソフトウェア、CAMソフトウェア、そしてCAM装置それぞれの原理と最近の情報について紹介し、それらが歯科界にもたらす利益について述べた。また、CAD/CAM冠に関しては試適時に破折させてしまう場合が多いとし、注意を促した。
2)「オープン型CAD/CAMテクノロジーによる新・技工物製作プロセスの追求と今後の展開」(今田智秀氏、株式会社データ・デザイン)
データ・デザイン社スタッフである今田氏は、2010年からの同社の歯科用CAD/CAMに関する取り組みについてまず紹介した上で、過去3回にわたって出席したドイツのIDS(国際デンタルショー)におけるシステムの変遷について述べた。また、同社の今後のコンセプトとして「オープンデンタルからスマートデンタルへ」を挙げ、IT技術、CAD/CAM技術を生かした小規模歯科技工所の連合体が活躍する将来について展望した。
3)「最新デンタルCAD/CAMシステムの動向とコーディネート・サービスのご紹介」(渡邊健一氏、株式会社データ・デザイン)
同じくデータ・デザイン社スタッフである渡邊氏は、同社が販売するDental Wings社のスキャナーおよびソフトウェアについて最新情報を紹介。また、本年のIDSで発表されたレーザーミリング装置や、DWIO(Dental Wings社の口腔内スキャナー)の概要も示した。
4) 「デジタル歯科技工士養成プログラムのご紹介」(榎本博之氏、早稲田CADトレーニング&サポートセンター)
本演題では、かねてから「ワセトレ」の愛称で親しまれてきた「早稲田歯科技工トレーニングセンター」が今春から「早稲田CADトレーニング&サポートセンター」に改称されたことを軸に、今後の歯科技工教育におけるCAD/CAMの重要性について言及。来年度から、実践型CADオペレーターを養成するとし、その戦略についても述べた。
全体として、企業主催のセミナーではありながらも昨今のデジタル・デンティストリーを俯瞰する内容となっており、参加者の関心も高かった。