2015年12月20日掲載
インプラント治療の基礎と長期症例の考察が凝縮して語られた1日
AII 2015 総会開催
本総会では、最初に上田秀朗氏(福岡県開業)が登壇。歯周病罹患者や過蓋咬合により矯正が必要な患者に対し、包括的歯科治療の一環としてインプラントを活用した長期症例を供覧し、教育的な講演を展開した。
次に、大多良俊光氏(東京都開業)は、審美インプラント治療を行う際のプロトコールと軟組織マネジメント、適切な埋入ポジションについて解説した。また、無歯顎症例へのインプラント治療を的確に行うための要素を提示し、会場の関心を引いた。
夏堀礼二氏(青森県開業)は、長期症例から見たインプラント上部構造のデザインとアバットメントコネクションの再考をテーマに講演。セメント固定からスクリュー固定に修正した症例、より清掃性を重視した上部構造につくり直した症例などを供覧し、詳細な解説を行った。
山下恒彦氏(デンテックインターナショナル)は、口腔内スキャナーや3Dプリンターの応用など、最新のデジタルデンティストリーおよびマテリアルを紹介。それらの技術革新が、今後のインプラント補綴と審美にもたらす影響と展望について述べた。
最後は、堀内克啓主宰(奈良県開業)が登壇し、インプラント外科の基本をテーマにした講演を展開。各種部位、欠損状態に応じた切開線の設定、正しい減張切開や剥離、縫合について詳説した。会場は、その場で堀内氏による外科実習が行われているかのような臨場感に包まれ、盛況のうちに本総会は幕を閉じた。