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2016年4月23日

ORE 2016 TOKYO開催

熊本地震のチャリティ講演会として義援金が集められる

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 さる4月23日(土)、24日(日)の両日、日本歯科大学 富士見ホール(東京都)において、ORE 2016 TOKYO(堀内克啓大会長)が、「インプラント治療とDigital Dentistryの最前線 ~更なる審美と予知性を求めて~」をテーマとして盛大に開催された。

 本会は、日本の歯科界を代表する多くのスタディーグループから歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士が一同に会し、プレゼンテーションとディスカッションを行うオープンな会として日本とハワイを舞台に年1回、交互に開催されており、2016年度の本会は4月14日より発生した熊本地震へのチャリティ講演会として行われた。

 1日目の午前はCAD/CAMをテーマにしたセッションが行われ、冒頭で夏堀礼二氏(青森県開業)がデジタルデンティストリーの最新の知見と技術的な到達点に言及した。その後は、渡辺理平氏(青森県勤務)、平塚智裕氏(東京都勤務)、田中宏幸氏(兵庫県開業)、竹中 崇氏(福岡県開業)、筒井祐介氏(福岡県開業)が登壇し、口腔内スキャナー、CADCAM、下顎運動解析器の応用などについて、症例を交えながら解説した。

 午後は、山下恒彦氏(デンテック・インターナショナル)が、インプラント補綴における、特にジルコニアのフレームワークについて解説。デジタルテクノロジーを活用しつつも臨床の基本を押さえ、審美性、清掃性、予知性、再現性などを考慮した補綴操作を行うことの重要性を語った。また、寺本昌司氏(大阪府開業)は「インプラント治療のジレンマ」と題した講演を展開。各種リカバリーケースを供覧すると共に、インプラントの治療計画を立案する際、患者さんに与えるリスクとベネフィットを考え、判断することの難しさと重要性を語った。さらに梅津清隆氏(東京都開業)は「インプラント治療におけるデジタル&アナログのキャリブレーション」と題し、デジタルの技術を盲信することなく、その誤差も考慮した治療を行うことの大切さを説いた。

 続いて、ペリオ/インプラントをテーマにしたセッションが行われ、冒頭で林 美穂氏(福岡県開業)がインプラント治療における難易度の鑑別診断、補綴形態の決定要素など基礎的な事項について詳説した。その後は、西村和美氏(山口県開業)、土屋 厚氏(静岡県開業)、水上 克氏(秋田県開業)、深川 周氏(千葉県開業)が登壇し、歯周病患者への治療や咬合再構成治療などを供覧した。

 1日目の最後は、寺西邦彦氏(東京都開業)が多数歯欠損症例、無歯顎症例をテーマとした講演を展開。インプラントを含めどのような補綴方法を選択しようとも原理・原則は変わらないこと、器質的な難症例、心理的な難症例、さらには患者の年齢などを考慮し、慎重な計画立案を行うべきことを強調した。

 2日目の午前はMI Implantをテーマとしたセッションが行われ、最初に座長である三好敬三氏(東京都開業)、白鳥清人氏(静岡県開業)が、ガイデッドサージェリーを用いた低侵襲なインプラント埋入を行うための診査・診断・術式について講演を行った。その後、児玉 崇氏(福岡県開業)、藤野 修氏(岩手県開業)、又吉誉章氏(神奈川県開業)、川島一哲氏(東京都勤務)が登壇し、骨補填材を用いない手法や小さな開窓を行うといった各種サイナスリフト症例などを供覧した。

 その後、教育講演として山崎長郎氏(東京都開業)が登壇し、自身の過去の症例と現在の症例を比較し、今後のDigital Dentistryの進化について語った。

 午後はRidge Augmentationをテーマとしたセッションが行われ、座長である菅井敏郎氏(東京都開業)が上顎洞炎への対応を耳鼻咽喉科からの知見を交えながら詳説し、堀内克啓氏は下顎臼歯部の骨造成時の切開と縫合のポイントについて講演した。その後、古宇田道生氏(茨城県開業)、大山高太郎氏(東京都開業)、下田 徹氏(兵庫県開業)、藍 浩之氏(愛知県開業)が登壇し、各種骨造成法の解説やトラブルへの対応について講演した。

 本会最後の審美をテーマとしたセッションでは、座長である大河雅之氏(東京都開業)が、CAD/CAMやベニア、レジン、ピエゾを用いて、残存歯質へのダメージを最小限にしながら審美を達成した症例を解説した。その後、松木良介氏(福岡県開業)、藤林晃一郎氏(京都府開業)、佐藤洋司氏(秋田県開業)、井筒大輔氏(兵庫県開業)、植松厚夫氏(東京都開業)が登壇し、スタイナー分析を実際の臨床に落とし込み審美的なEラインを達成するための咬合再構成の具体的手法や、審美を達成するために必要な軟組織幅や適正なインプラント埋入位置などさまざまなテーマのもと講演された。

 なお次回の2017年度大会は、土屋賢司大会長のもとハワイにて開催される予定である。